猫との『同行避難』とは?『同伴避難』との違いと、災害時に愛猫とあなたを守る4つの心得

地震や台風などが多く、災害大国とも言われる日本。そんな日本に住む猫飼いさんは、猫と一緒に避難するための準備や備蓄が必要です。よく耳にする「同行避難」と「同伴避難」の違いを確認し、予備知識を把握して万一のときに備えましょう。

猫との「同行避難」と「同伴避難」の違い

飼い主と一緒に避難所にいる猫

日本という国に住んでいる以上、いつ何時災害が起きても良いように備えておかなくてはいけません。とくに、猫などのペットが家族にいる場合、その準備はとくに念入りにしっかりとしておく必要があります。

そこで今回は、猫との「同行避難」について、「同伴避難」との違いや災害時に覚えておきたい心得と合わせて解説します。すでに備えておられる方は多いとは思いますが、ぜひこの機会に、今一度確認しておきましょう。

「同行避難」とは

「同行避難」とは、災害発生時に、飼い主が猫などのペットと一緒に避難場所まで安全に避難することです。

災害が起きたとき、猫のことを気にして避難しない人がいます。その理由は、「猫を置いて行くことはできない」「猫を一緒に連れていけない」というものです。

しかし、倒壊してしまった家屋に留まることは、非常に危険です。一見倒壊していないように見える家でも、近隣の家が倒壊していたら、自宅も基礎部分等になんらかのダメージを受けている可能性があります。

また、万が一自宅は倒壊していなくても、余震等で地割れや土砂崩れ、地震による火災等が起きて屋外からの被害を受ける可能性もあります。さらには、車中生活でエコノミー症候群になったりなど、避難せずに自宅待機している状態では、二次災害のリスクが高まります。

実際、東日本大震災や熊本地震の際には、ペットにまつわる自宅残留が原因で命を落とした人もいます。2024年の能登半島地震でも、猫を懸念して避難所にはいかず自宅に残った人が亡くなったことが記憶に新しいものです。

「同行避難」とは、そんな二次災害を防ぐために、人間がペットと一緒に『とにかく避難をする』行動そのものを指します。二次災害リスクを減らすためにも、この国はこの「同行避難」を強く推奨しています。

「同伴避難」とは

一方、「同伴避難」とは、「同行避難」と言葉は似ていますが意味は少し異なります。

危険な場所からとにかく脱出する「同行避難」と異なり、「同伴避難」は、飼い主と猫などのペットが一緒に避難したうえで、その後避難所での生活をペットを飼養管理することです。

しかし、ペットと一緒に過ごせるかどうかは、避難所によりけりなのも事実。ペットの扱いをどうするかは、各自治体や避難所の判断にゆだねられているため、環境省のガイドラインには、「同行避難」が記載・推奨されているのです。

このように、ペットと一緒に避難する人のための受け入れ体制は、わが国ではまだまだ不完全です。実際、ペットの連れ込みを禁止している避難所や仮設住宅も多く、ペットを受け入れる対応に追われたり、決まったルールがないために困惑したりする事例もありました。

災害時に「同行避難」をしたものの、避難場所によってはペットと一緒に避難所生活が送れないという壁にぶつかる人も多いため、安心して「同行避難」できるような「被災ペット対策」が求められています。

取り急ぎ、自分が住んでいる地域の指定避難場所が、同伴避難対応しているかどうかを調べておくことをおすすめします。指定避難場所を管理している自治体に問い合わせたり、公式サイトを確認するなどして、いざというときに焦ってしまわないようにあらゆる関連情報の確認も忘れないでしておきましょう。

災害時に愛猫とあなたを守る心得

避難所の看板

ではここからは、災害時に愛猫とあなたを守る心得について確認しておきましょう。

細かい部分はご家庭やお住まいの地域によって異なるかと思いますが、基本の部分は変わらないはずですので、いざというときに愛猫のためにも冷静に正しい動きができるよう確認しておきましょう。

1.まずは「命を守る行動」を

先述したように、災害時には二次災害の危険が高まります。

まずは人間も猫も命を守ることが最優先。猫を連れて避難生活ができるかは二の次で、迷わずペットを連れて危険な場所から離れることが大切です。

そのためには、人間の避難グッズはもちろん、キャリーバッグやリード、フードや猫砂の代わりになるものなど、猫用グッズの避難準備も必須です。普段から、自分でできる猫用グッズの災害対策をしておきましょう。

2.早めに避難する

ペットを飼っている人は、人間だけで避難するよりも行動が遅く荷物も多くなりがちです。

災害時に自力で避難することが難しい人を「災害弱者」と呼び、警戒レベル2~3のうちに避難することが推奨されていますが、猫飼いさんも同じ感覚でいるのがベストです。避難勧告や避難指示が出るまでに準備を整え、出発しましょう。

3.危険のある自宅には戻らない

猫と一緒に避難した後に、受け入れ先が見つからず自宅に戻る人がいます。中には、連れていけなかった猫の世話をするために自宅に通ったり、車中で過ごしたりする人も。

しかし、避難勧告や避難指示があったエリアに戻ることは危険です。個人の判断で自宅に戻らず、必ず誰かに相談しましょう。

今後はさらに被災ペットに関する意識も高まっていくはずですので、動物愛護ボランティアや獣医師会のサポートも受けられる可能性もあります。また危険がないと判断されるようなら自宅避難もできるでしょう。

まずは被災直後は危険な自宅に近寄らず、専門家の力を借りて愛猫の安全を守るために尽力しましょう。そのためには、焦っていたらなにもできません。事前の学びと情報収集の量が効いてきますので、ぜひ平時の備えを愛猫のためにも怠らないようにしておきましょう。

4.避難訓練に積極的に参加する

自治体では定期的に避難訓練が実施されています。この訓練に積極的に参加することで、実際に猫を連れて動けるか、猫グッズを持運べるかなど、愛猫を連れての「同行避難」をリアルに体験し、今後の対策を立てることができます。

また、猫を連れて参加することで、地域の人に猫を飼っている家庭であることを認識してもらうことができますよ。地域で猫友さんができれば、いざというときに助け合いができる可能性が広がるかもしれません。

まとめ

リュックに入り移動する猫

自分にとっていくら家族のような愛猫でも、災害時のひっ迫した現場では人間優先になります。

また避難所には、動物が好きな人だけではなく、動物が嫌いな人や猫アレルギーの人、ニオイの問題など、いろいろな課題が勃発します。

日本で猫を飼っている家庭は500万軒以上ですので、10軒に1軒が猫を飼っている計算ですが、猫についての災害対策はまだまだ発展途上です。

しかし課題が浮き彫りになっているのも事実。1人1人が猫連れでの防災意識を強くもつことで、猫の被災生活についての理解も高まっていくかもしれませんね。

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