愛犬の誤飲を経験したことのある方は意外と多いのではないでしょうか。『誤飲』は、最も身近ながら命にかかわる事態にもなり得るのです。そこで今回は、犬が飲み込んだら亡くなる「超危険なもの」について、誤飲させないために飼い主が必ずすべき対策とあわせて解説します。
犬が飲み込んだら亡くなる「超危険なもの」
ペットフード協会によると、犬の誤飲誤食事故は年間20万件以上も発生しているようです。大きな問題とはならなかったケースから緊急手術を行ったケースまで、その実態は様々です。
一番身近ながら大変なリスクもある誤飲事故ですが、今回は犬が飲み込んだら亡くなってしまうこともある「超危険なもの」について解説します。
愛犬の行く場所やいつもの散歩道に落ちていないか、瞬時に判断できるように確認しておきましょう。
1.糸やヒモ 靴下やタオルなどの布製品
糸やヒモは犬が飲み込みやすく、誤飲すると消化されずに胃や腸に詰まりやすいため、大変危険です。
またこれらは、愛犬が誤飲したことに飼い主さんが気が付かないケースも少なくありません。そのままにしておくと、腹膜炎を引き起こしたり腸が壊死し、最悪の場合は死に至るケースもあります。
紐状のものは異物の中で最も誤飲が多く、死亡率も高いため大変危険です。ロープ状のおもちゃや、靴下やタオルなどの布製品も同様のため、出しっぱなしにしないよう十分な注意が必要です。
2.竹串
犬は焼き鳥の串を誤飲してしまうことがあります。「先端が尖っているのに…？」と感じますが、良い匂いが残っていればそのまま飲み込みます。中型犬～大型犬に多く見られます。
尖った先端が胃や腸を傷つける恐れがあり、手術をして取り除かなければならないケースに発展することも。竹串のほか、爪楊枝や画びょう、針なども十分気を付けましょう。
3.エチレングリコール（不凍液）
エチレングリコールは自動車の冷却水に含まれており、甘い匂いと味がするため犬が舐めてしまうことがあります。
かつては屋外で飼育されている犬が誤飲してしまう事故が目立ちました。現在は屋内飼育が多いものの、一部の保冷剤に使用されているため取り扱いは注意が必要です。
誤飲してしまうと急性腎障害を引き起こし、死亡率は70％にもなる恐ろしい中毒症状を示します。
4.人間の医薬品
人間の医薬品も犬が誤飲しやすいといえます。飲み込んだ薬の種類や量によって、大事にいたらないこともあれば、重篤な症状を引き起こすこともあります。
ちなみに、わたしたち人間がよく飲む風邪薬や鎮痛剤、鼻炎薬は特に危険です。
テーブルの上に放置していて誤飲、飲もうとして落としたものを飲み込む、というようなケースが多いようです。薬を飲むときは、愛犬がその場にいないときに服用する方が安全です。
5.チョコレート
犬にチョコレートを与えてはいけないことをご存じの飼い主さんは多いと思います。
カカオに含まれる成分が、犬にとって有害で中毒を起こします。そのため、カカオの含有量が多いビターチョコレートの方が中毒の危険性は高まります。
他にも、以下の食べ物の誤飲に気を付けてください。
- 玉ねぎなどのネギ類
- ぶどう
- アボカド
- キシリトール
ゴミ箱やカバンを漁って食べてしまうことのないよう、十分に管理しましょう。
飼い主が必ずすべき、誤飲を防ぐ対策
ここからは、犬が誤飲しないように、飼い主さんが必ずすべき対策について解説します。
犬の目線で片づけをする
まずは、愛犬が普段いる場所である家の中をキレイに片づけることが先決です。
食べ物や飲み物、小物類などを放置しないようにしましょう。
片づけのポイントは「犬の目線で片づける」ことです。這いつくばって犬の目線の高さからチェックしてください。
さらには、フタつきのゴミ箱を利用するのもおすすめです。
咥えているものを離すしつけをする
例えば「ちょうだい」のコマンドで咥えているものを出せるように学習させます。
「ちょうだい」と言いながら犬の口から物を取り、代わりにおやつを与えます。繰り返すと犬はコマンドを覚え、口にくわえているものを離すようになります。ゲーム感覚で行うと良いですね。
ロングリードは使わない
散歩中の路上には様々なものが落ちていて、犬にとっては危険がいっぱいです。拾い食いのクセがある子の場合はなおさらです。
ロングリードは、愛犬のいざという時にとっさに対応することができない仕様になっているので、そもそもいつもの散歩では使用しないほうがよいでしょう。
散歩している道に危険なゴミが目についたら、さらにリードを短く持つか、散歩コースを変更すると安全です。
まとめ
犬は私たちが思いもよらないものを飲み込んでしまうことがあります。
誤飲が起きてしまうことについて、「ちょっと目を離した隙に」「あっと思ったら飲み込んでいた」というような理由が多く挙げられます。
そのわずかな油断が最悪の場合、愛犬の命を脅かすかもしれません。家の片づけをしっかり行い、愛犬の手や口が届くところには物を置かないようにするなどの環境を整えてくださいね。
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