「スポーツ・ジムの人気猫」が追放の危機!反対署名が多数集まるも、市は強硬姿勢崩さず ニュージーランド

過去5年間、市営ジムに住み着いてメンバーの人気者になっていた猫。でも一部の人の苦情を受けて、市は猫を排除しようとしています。これを知った人々は、署名活動を展開して反対しています。

ジムに住み着くアイドル猫を守れ!

抗議する人々

画像はイメージです

ニュージーランドの大都市オークランドで、あるスポーツ・ジムに通う人々が、不満の声を上げています。

というのも過去5年間「Manurewa Pools and Leisure Centre」に住み着いて、人々の人気者になっていた猫の「MPAL」が、たった1人のお客さんから苦情が寄せられたことを理由に追い出されることになったからです。

猫の名前は、住処である施設の名称をもじっただけでなく、この5年間ずっと多くの人々から「Pal(友だち)」として愛されてきたためについたものです。

ジムを運営するオークランド市当局は、「猫がいるために、一部の人が運動器具を使えない現状は問題だ」としています。

しかし、ジムの常連であるJayde Mataiさんのように、この処分に反対してネット上で抗議の署名活動を始める人もいます。彼女は過去2年間、ずっとこの猫に慣れ親しんできました。

「この猫は人間が大好きで、とても慣れています。うちの飼い猫よりずっと愛想がいいのよ。しかもみんなの辛い心を癒してくれます。たとえば、去年がんを宣告されたあるメンバーのそばに寄り添って、慰めていたこともありました。とにかくこの猫は大事な仲間なの。だからMPALのために、今度はわたしたちが戦うわ」と彼女はいいます。

猫は大事なチアリーダー

チアリーダーの扮装をした猫

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Jaydeさんは膝のケガで1年間歩くことができず、リハビリのためにジムに入会したといいます。そのときMPALに出会って「この猫から回復に向けた力と友情、そして希望を感じた」といいます。

「忙しい日々を送るなかでも、心身の不調で悩む人や、もっと体を鍛えたい人がジムにやってきます。MPALは、わたしたちのそばにいて静かに応援してくれる大事なチアリーダーなのです」

地域の人々やジムの職員は、協力してMPALの世話をしています。寝床は3つもあるし、大好物のチキンのほぐし身もたくさんもらえるのです。

ジムは毎日午前5時半にオープン。ドアが開くのを待つ行列の中に、MPALとJaydeさんもいます。

Jaydeさんによると、「MPALが出入り禁止になるならジムをやめる」という人もいるそうです。市当局がメンバー全員に相談なく今回の決定をしたことに、彼女は腹を立てています。

すぐに2千人以上の署名が集まりました。Facebook上には、猫を支持するメッセージがたくさん寄せられています。

あくまでも強硬姿勢の市当局

ダンベルが並ぶ棚に乗る猫

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市当局は次のコメントを発表しています。

「MPALが人々からとても愛されているのは理解しています。でも通ってくるメンバーの中には、そばに猫がいることに耐えられない人もいるのです。当施設は市民すべてのためのもの。だれでも利用できるようにする必要があります。このため、この猫に新しい飼い主を見つけることも含めて、対応策を考えていきたいと考えています。もちろん猫自身が幸せに暮らしていけるよう、細心の注意を払います」

そもそもなぜMPALがこのジムに住み着くようになったのか…Jaydeさんは「母猫やきょうだい猫と一緒にここに捨てられたか、母猫がここで産み落としたのでしょう」と想像しています。

というのも、当時連絡を受けたSPCA(動物虐待防止協会)が、母猫と子猫たちを保護したことがあるからです。

「でもMPALはここに残ることに決めたようです。SPCAの人々の手から逃れ、隠れてそのままここに居ついたのです」とJaydeさんは話してくれました。

さて、猫をめぐるメンバーと市当局との攻防、今後の展開に目が離せませんね。

出典:Forget the gym bunny - members press case for MPAL the cat

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