今月2日に噴火警戒レベルが2に引き上げられた岩手山の火山活動について、気象庁は地下の比較的深いところから火口に向けて熱の供給が続いているため、山が膨らむ傾向はもう少し続く可能性があるとした上で、今のところレベルを3以上に引き上げる状況にはないとの見解を示しました。
岩手県の活火山・岩手山では山に膨張する変化がみられ、西岩手山の想定火口から概ね2キロの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとして、気象庁は今月2日、岩手山の噴火警戒レベルを「活火山であることに留意」の1から「火口周辺規制」の2に初めて引き上げ、警戒を呼びかけています。
気象庁はきょう、岩手山の火山活動について最新の評価を発表し、海抜よりおよそ数キロ深い地下から火口に向かって熱の供給が続いているため、山が膨らむ傾向はもう少し続く可能性があるとの見通しを示しました。
その上で、気象庁の碓井勇二火山活動評価解析官は、想定される噴火は「水蒸気噴火」だとして、火口周辺の2キロの範囲内に入らなければ被害に遭うことはないだろうとの見解を示し、次のように述べました。
気象庁地震火山部 碓井勇二 火山活動評価解析官
「この規制されている(火口から約2キロの)範囲内に立ち入れなければ、安全に観光を楽しめることができると思いますので、過剰に心配する必要はないと考えているところです」