台湾・頼総統「中国と互いに隷属しない」、「双十節」で改めて強調

台湾が“建国記念日”と位置づける「双十節」の祝賀式典が行われ、頼清徳総統は「台湾は中華人民共和国に隷属しない」と改めて強調しました。

「双十節」は中華民国の建国記念日にあたり、中華民国を正式な名称としている台湾は、毎年10月10日に祝賀式典を行っています。

演説した頼清徳総統は、5月の総統就任式の際と同様に「中華人民共和国とは互いに隷属しない」と強調しました。

台湾　頼清徳 総統
「中華民国は台湾島、澎湖島、金門島、馬祖島に根差していて、中華人民共和国とは互いに隷属しない。民主と自由はこの地でたくましく育った。中華人民共和国は台湾を代表する権利は持っていない」

そのうえで頼総統は「主権の侵害、併合は許さない」と中国をけん制。一方で、台湾海峡の平和と安定を望むとし、「ともに地域と世界の平和と安全、繁栄に貢献しよう」と呼びかけました。

中国は、頼総統率いる民進党政権を「独立勢力」とみなし、依然として軍事面、経済面での圧力を強めています。

式典には、蔡英文前総統や陳水扁元総統も出席しましたが、中国に融和的な姿勢を見せる国民党の馬英九元総統は姿を見せませんでした。

これに対し、中国外務省の毛寧報道官は「世界に中国は一つしかなく、台湾は中国の不可分の領土だ」と主張。「中国が最終的に統一するという歴史の流れを阻止することはできない」とけん制しました。

また、「台湾独立という挑発行為は袋小路にある」としたうえで、アメリカなどを念頭に「中国の内政に干渉することや台湾独立を支持し、台湾海峡の緊張を高めることをやめるよう忠告する」と警告しています。