2023年度、いじめの重大事態は1306件と前年度の1.4倍に増え、過去最多を更新しました。重大事態の調査はどう行われるべきか。課題を探りました。
【動画】「いじめ重大事態」前年比1.4倍に急増 難航する調査で増え続ける教育現場の負担 第三者委員会による調査に課題
東京都内の公立小学校に勤める校長です。4年前、「いじめ重大事態」に直面しました。
都内の公立小学校校長
「今でも話をしていると涙が出ます」
校長が苦しんだのは、加害者と被害者の言い分が真っ向から対立して調査が難航したためです。
都内の公立小学校校長
「『校長先生は被害者の味方なんですか?』」
校長の残業は過労死ラインをはるかに超え、心身に不調をきたしました。
都内の公立小学校校長
「医療機関に行って服薬しながら対応しました。自分のメンタルを立て直さないと、たくさんの人に迷惑をかけてしまう」
校長は自治体に対し、弁護士を交えた第三者委員会による調査を求めましたが断られ、最後は“自費で雇う”と提案しましたが、それも断られたと言います。
専門家は、費用の大きさから自治体が第三者委員会による調査をためらう現状があると解説します。
多数のいじめ調査を経験した 森田智博弁護士
「自治体からすれば第三者委員会ひとつでも、100万円規模の予算がかかる。用意できない」
専門家は、国は自治体任せにすべきではないと強調しました。
きのう、文科省が発表した2023年度のいじめの重大事態は1306件。過去最多を更新しました。
校長ら、教育現場への負担も増え続け、課題は山積みです。