「2025年トレンド予測100」が『日経トレンディ12月号』(11月1日発売)で発表され、アメリカ発祥の黒船スポーツ”ピックルボール”が14位にランクインした。アメリカでは億プレイヤーも誕生する注目のスポーツで、女子トッププロの17歳、アナ・リー・ウォーターズは2024年の年収が300万ドル(約3億円超)とも言われている、まさに“アメリカンドリーム”なスポーツだ。日本でも普及し始めたピックルボールの魅力とは。
米で5000万人が体験!ピックルボールとは
ピックルボールは、テニス・卓球・バドミントンの要素を組み合わせたラケットスポーツ。バドミントンと同じ大きさのコートで、卓球のラケットより少し大きい「パドル」を使い、プラスチック製の軽いボールをテニスのように打ち合う。15分ほどレクチャーを受ければ誰でも簡単にラリーができるようになるのが最大の魅力だ。
アメリカではコロナ禍をきっかけに競技人口が爆発的に増加しており、現在約900万人。体験したことがある人は5000万人に及ぶというデータも。さらに、プロリーグやツアー大会も発足し、プロテニス選手の大坂なおみやNBAのスター選手らが各チームに出資。生中継や配信も行われている。テニス界のレジェンドであるジョン・マッケンローやアンドレ・アガシらが100万ドルの賞金を懸けて戦う番組も人気となっている。
日本でもブーム到来!専用施設もオープン
数年前からこのブームが日本にも飛び火し始め、現在約1万人がプレーしていると言われている。ここ1年でYONEXなどの大手スポーツメーカーが日本市場に参入したほか、体験イベントを開催する企業も多く現れている。また、テレビ番組で俳優の石原さとみさんや高橋文哉さんなどがプレーしたことで認知も広がってきた。10月には東京五輪の会場跡地に作られた「有明アーバンパーク」内にカフェを併設したピックルボールコートがオープン。専用施設が続々と誕生しており、気軽にプレーできる環境が整ってきた。
日本でピックルボール普及に取り組むパイオニア・元全米チャンピオンのダニエル・ムーア氏(35)は「ピックルボールがオリンピック種目になることが夢」と話し、全国各地で上級者向けの合宿、初心者向け体験会を実施する傍ら、自らも大会に出場しその輪を広げている。12月には日本テニスの聖地・有明テニスの森で大規模な国際大会も開催される予定。レクリエーションとしてはもちろん、新たな本格スポーツとしても期待が高まっている。