国立博物館が「3倍」の3100円に?国内でも“二重価格”の動き メリット・デメリットは【Nスタ解説】
世界各地の観光スポットでは、すでに「二重価格」を導入しています。フランスのルーブル美術館でも新たに導入されるなか、その動きが国内にも広がるかもしれません。
ルーブル美術館“二重価格”導入へ
出水麻衣キャスター:
フランス・パリのルーブル美術館は、1月14日から入場料に二重価格を導入します。
現在、22ユーロ(約4000円)の入場料が、日本・アメリカ・イギリス・中国など、EEA非市民、非居住者は32ユーロ(約5900円)になるということです。
世界各地の観光地も二重価格
出水キャスター:
二重価格は世界各地の観光地でも導入されています。
【インド「タージ・マハル」】
・インド人:50ルピー(約90円)
・外国人(※一部除く):1100ルピー(約1900円)
【アメリカ「メトロポリタン美術館」】
・ニューヨーク州在住など:任意
・それ以外:30ドル(約4700円)
【カンボジア「アンコール・ワット」】
・カンボジア人:無料
・外国人:37ドル(約5800円)
日本も“インバウンド料金”検討へ
出水キャスター:
こうした流れを受け、日本でも二重価格の導入について検討が始まっています。
現在、日本の国立博物館や美術館の経営は入場料の収益に加え、公費によって賄われています。そこで財務省が入場料収入だけで賄う場合の料金を試算しました。
【経営費用を入場料収入で賄う場合(財務省の試算)】
<東京国立博物館(常設展1000円)>
・一般:1300円
・インバウンド客:3100円
<東京国立近代美術館(常設展500円)>
・一般:1500円
・インバウンド客:4000円
文化庁はこの試算を受け「今後検討材料の一つにしていきたい」ということです。
二重価格のメリット・デメリット
出水キャスター:
二重価格の設定にメリット、デメリットをみていきます。
立教大学観光学部の西川亮准教授によると「観光資源の維持費に充てられるというメリットがある一方、差別・不公平などの感覚を持たれてしまうので、二重価格の設定には慎重な議論が必要」だといいます。
加えて“不公平感”解消のために「納得できる『価格差の説明』が重要。『サービスで差をつける』などの方法もある」ということです。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
税金で運営しているのであれば、税金を払っている日本人はもう少し安く設定していいのではないかという議論があります。
それから円安の影響で海外の人から見ると割安だと感じる人が多いようですので、二重価格を導入する必要が出てきているのかなと思います。
さらに日本の財政はきつい状況なので、国のお金をジャブジャブと充てるわけにいかないという事情もありますよね。
出水キャスター:
私達が海外旅行に行った際に二重価格だったとしても、地元の方は教育目的で行ったりもするので、地元の方が割引になっても違和感があるものではないですよね。
井上貴博キャスター:
二重価格は飲食店も含めて柔軟に対応していく時代だと思います。
すでに導入しているテーマパークも
出水キャスター:
2025年7月にオープンした「ジャングリア沖縄」ではすでに二重価格を導入しています。
1Dayチケット(大人料金)は「一般8800円」「国内在住者6930円」です。
価格の設定について、ジャングリア沖縄担当者は「グローバルな視点で価値と価格が見合うポイントを慎重に設定した」といいます。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
海外に行くと、多少、大盤振る舞いしてもちょっと良いところに行こうかなという気持ちになりますよね。
海外から来る人もおそらくそういう気持ちだと思います。お金を払ってもらった以上は、サービスを提供することも必要だと思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年