“高市人気”に世代間の温度差 伸び悩む「中道」は支持浸透せず、「チームみらい」躍進か 最新の情勢分析【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-02-03 20:58

TBS「選挙の日」は、今回の衆議院選挙の選挙情勢をJX通信と合同で調査をしています。前回から1週間経ち、有権者の投票行動にどういった変化が生まれたのでしょうか。

【画像を見る】年代別 高市内閣支持率の変化

「比例の投票先」 1週間前と比べてみると…

井上貴博キャスター:
今回、この1週間で情勢分析はどう変わったのか、変わらないのか、その数字から見えることをお伝えします。

比例投票先は?
▼自民 23.2%(0.1↓)
▼中道 13.8%(±0)
▼国民 7.0%(0.2↑)
▼維新 5.1%(0.5↑)
▼参政 4.3%(0.1↑)
▼共産 2.6%(0.4↑)
▼みらい 3.3%(1.1↑)
▼れいわ 2.2%(0.1↓)
▼保守 1.5%(0.2↓)
▼ゆう 0.6%(ー)
▼社民 0.5%(±0)
▼その他 0.7%(0.1↓)
▼まだ決めていない・わからない 35.4%(2.1↓)
※1月30日(金)~2月1日(日)にインターネットで調査を実施(5275サンプル)

この中で、チームみらいは3.3%、先週から1.1ポイント増えました。この辺りのデータをどう読み解いていくべきなのでしょうか。

JX通信社 米重克洋 代表取締役:
全体としては小動きで、大きな政党はほぼ変化がなく、中規模の政党などで少し動きがあったと言えます。

ただ、とりわけ目立ったのは、チームみらいに対して各政党の支持層や態度を決めていない人たちが流れ込んでいる様子が少し数字にも表れています。

これは、他の報道各社の調査でも、同じような傾向がみられています。

若者に広がる「内閣支持」

井上キャスター:
比例の投票先の調査で、自民党は1週間で0.1ポイント下げ、23.2%となっています。

高市内閣の支持率
・強く支持する:15.9%(1.3↓)
・どちらかといえば支持する:41.8%(1.5↓)
・どちらかといえば支持しない:21.8%(1.6↑)
・まったく支持しない:20.5%(1.2↑)
※TBSテレビ選挙特番「選挙の日」とJX通信社の合同調査

高市内閣については、▼「支持」が57.7%(2.8↓)、▼「不支持」が42.3%(2.8↑)と、依然として高い水準であることが分かります。

これを年代別で見ると、如実に見えてくることがあります。

世代別 内閣支持率の変化
・20代:1.4ポイント↑
・30代:1.5ポイント↑
・40代:0.6ポイント↓
・50代:6.0ポイント↓
・60代:3.5ポイント↓
・70代:4.1ポイント↓
・80代:1.7ポイント↓
※TBSテレビ選挙特番「選挙の日」とJX通信社の合同調査

若いほど増えている一方で、それ以外は減っているということが分かります。

この調査を行ったときに、どういったことがあったか、見ていきます。

1月31日、高市総理は演説で、「(円安について)助かっているのが外為特会の運用。いまホクホク状態」と発言。

その後、SNSで「円安メリットを強調したわけではない」と釈明しました。

この真意を問うという意味でも、大変重要視されていた、2月1日午前のNHK「党首討論」を急遽欠席しました。

番組内で、自民党は「遊説中に腕を痛め、治療に当たっている」としましたが、その日の午後、高市総理は岐阜での応援演説に出席していました。

けがをして、党首討論には出なかったが、演説には出たというところの整合性や、円安についての“ホクホク”発言、旧統一教会の件もあります。こういったところで、大変重要視されていた党首討論に出席しませんでした。

JX通信社 米重克洋 代表取締役:
20代・30代とそれ以上の世代で背景が違う部分としては、情報収集をする主な手段が、例えば、ネット・SNS・YouTubeのような動画プラットフォームなのか、あるいは新聞・テレビなどの従来のマスメディアと言われる情報源なのか。こういったところに非常に大きな違いがあります。

特に20代・30代は、政治や社会の情報源として、インターネットを中心に使っているという人が、この調査でも非常に多いんですけれども、その人たちの中では、高市内閣の支持はちょっと増えている傾向があると言えます。

一方で、マスメディア中心に情報を集めている方に関しては、若干支持が下がるという傾向が見られていて、まさに週末の高市総理の発言、あるいはそれをめぐる党首討論に関するような話題が報道されたことに対する視聴者・読者の受けとめが、調査にも微妙に反映されている可能性があるのではないかと思います。

出水麻衣キャスター:
20代・30代は、インターネット上で、高市内閣の支持に関する動画などに、多く触れる機会があるということでしょうか。

JX通信社 米重克洋 代表取締役:
その通りですね。

いま、YouTubeなどでも切り抜き動画も含め、高市総理を取り扱った動画が大量に流通しています。その多くは、高市総理について非常にポジティブに評価をしている動画が多いということもわかっています。

こういったところに多く触れる人たちが選挙期間中に増えていることについては、20代・30代の支持の増加ということに直結している可能性が高いと思います。

井上キャスター:
再生数が稼げるものは、どんどん作る人も群がってきます。そして、一回そういうものを見ると、どんどん自分のところにその動画が繰り返しやってくるということですね。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
自民党の戦い方は、選挙戦の序盤の段階で、消費減税を自ら打ち出したので野党の論点を潰しました。

争点潰しをした上で選挙に入っているので、やはり野党の人気の政党が支持が広がりにくいだろうなということは皆さん想定していて、結果的にそうなっているのかなと思います。

実際に財源の話が皆さん心配になっていて、50代以上の人たちは、やはり財源を懸念している人が多いので、実際にできるのかどうかが、いま議論の中心だと思います。

一方、そうした中で、みらいだけが消費減税を打ち出していないので、それが目立つ形で、政策として非常に現実的な路線を行っているのではないかという評価を受けていて、いまのような結果に流れているのかなとみています。

「中道」想定以上に足踏みか

井上キャスター:
比例の投票先の調査で、中道改革連合は1週間前と変わらず、13.8%となっています。

立憲と公明が一緒になって中道になったので、2025年の参議院選挙(比例)でそれぞれの党に投票した人のうち、何割が今回の比例に投票するのかが生命線になります。

〈前回の調査〉※1月23日~25日
▼前回「立憲」に投票し、今回「中道」に投票:64.8%
▼前回「公明」に投票し、今回「中道」に投票:63.5%

〈今回の調査〉※1月30日~2月1日
▼前回「立憲」に投票し、今回「中道」に投票:59.9%(4.9↓)
▼前回「公明」に投票し、今回「中道」に投票:65.9%(2.4↑)
▼前回「立憲」に投票し、今回「国民」に投票:6.0%(1.4↑)
▼前回「立憲」に投票し、今回「みらい」に投票:3.0%(1.8↑)
※TBSテレビ選挙特番「選挙の日」とJX通信社の合同調査

JX通信社 米重克洋 代表取締役:
立憲民主党と公明党ですが、もともと、それぞれの政党を支持していた人が、本当はなるべくそのまま、中道に移動していくことが選挙で勝つためには必要です。

いまの時点で、少なくともこの1週間、それが伸びるどころか、逆に減ってしまったという状況です。これが中道の選挙情勢において、非常に大きな課題になっています。

ひとえに、中道という新しい政党の認知・浸透が遅れていることもありますし、また立憲をもともと支持していた人たちが、中道としての政策の変化などで、支持する理由、投票する理由を少し見失っている人もいるのではないかと思います。

そういった人たちの受け皿として、例えば国民民主党、チームみらいが新しい選択肢として浮上してきて、そちらに流れている人も一部いるという状況が、この数字に表れているのではないかと思います。

井上キャスター:
この辺りの複雑さが、選挙の結果が全く予想できないと言われていることの由来かもしれません。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
選挙の戦い方として、公明党の考え方に立憲民主党が寄っていった政策になっています。例えば、原発や安保の考え方も、立憲は従来の考え方を改めて、公明の考え方を主張しています。

よって、もともと公明を支持している人は、そのまま中道を支持しやすいと思います。

一方で立憲を支持している人は、どうしようかという迷いが出ていると思います。だからといって「国民」や「みらい」に流れるというのも不思議な動きです。

有権者として、自分たちがこれまで支持してきたものは何だったんだろうかという迷いが少し出ているのかなと思います。

「みらい」躍進か?受け皿に

井上キャスター:
比例の投票先の調査で、「チームみらい」は一週間で1.1ポイント伸ばし、3.3%となっています。

投票先に「チームみらい」を選んだ人
・前回もみらい:23.3%
・前回は立憲:12.2%
・前回は国民:11.6%
・前回は参政:8.7%
・前回は自民:6.4%
※TBSテレビ選挙特番「選挙の日」とJX通信社の合同調査

JX通信社 米重克洋 代表取締役:
以前の支持率は、いまより低かったので、当然、前回も投票したという人は少ないわけです。立憲・国民・参政・自民と、それぞれ様々な政党の浮遊支持層の受け皿になっていること、これが、チームみらいが伸びている大きなポイントではないかと思います。

支持層を年齢別に見ても、安野党首が若いから支持層も若いというわけではありません。

実は20代~60代・70代ぐらいまで、マスメディアを情報源にしている人たちも、みらいの支持層に含まれてきています。

消費税の論議などが影響している可能性は非常に高いのではないかと思います。

比例の投票先 無党派層の割合は?
▼みらい 44.8%
▼国民 38.8%
▼中道 36.2%
▼共産 28.9%
▼自民 27.9%
▼社民 26.9%
▼参政 25.3%
▼維新 23.5%
▼保守 21.8%
▼れいわ 20.7%
▼ゆう 20.7%
※TBSテレビ選挙特番「選挙の日」とJX通信社の合同調査

チームみらいには、無党派層をひきつける力が強いということが分かります。自民党としては、無党派層をどれだけ取り込めるのか、“高市人気”がどこまで伸びるのかと言われていました。

みらいがここに来て、無党派層にかなり響いているというところが、このデータから分かります。

==========
<プロフィール>
米重克洋さん
JX通信社 代表取締役
全国の報道機関にニュース速報や世論調査を提供
選挙分析も手がける

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事 “日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説

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