「全東信」の破産から1週間…全国の加盟店で混乱止まらず 夏休みまでに“クレカ決済”復旧したい…代替のクレジットカード決済サービスに熱視線【news23】
クレジットカードの決済代行会社「全東信」の破産から1週間。飲食店をはじめ、全国の加盟店では混乱が続いています。
【写真で見る】全東信破産の波紋…「クレカ使えません」加盟店の悲痛な張り紙
かき入れ時である夏休みを前に、カード決済は復旧できるのか。これまで通りの営業を続けるため模索する現場を取材しました。
飲食店「お金は振り込んで」 クレカ決済の代行業者「全東信」が破産
東京・中野区にある割烹料理店「海花」。13日、この店を訪ねてきたのは、ある決済サービス会社の担当者です。
決済サービス会社 担当者
「現在使われている端末は全東信さんですかね」
店主
「使えば使えたかもしれないけど怖いんで、もうこの時点で」
1枚のハガキが、この店の日常を変えました。
店主
「ハガキの内容も、どうこう言える状況じゃないっていう、もう自己破産されたということなので、もうこちらとしては『あっ』て、もうお手上げというか、やばいというのだけ」
店で利用していたクレジットカード決済の代行業者「全東信」の突然の破産。
その影響は、全国に広がっていました。
札幌では…
たべごと屋ござる オーナー
「(事前連絡は)まったくなし。青天の霹靂。当たり前のことだけど、お客様から支払ってもらったお金は振り込んでもらいたい」
負債総額 約1151億円 「全東信」の提供していたサービスとは
そもそも、「全東信」はどのような役割を担っていたのでしょうか。
「全東信」のホームページによると、飲食店などでクレジットカードを使って支払うと、カード会社から売上金が店に入金されるまで最長で1か月ほどかかります。
そこに、「全東信」のような決済代行会社が間に入り、客が支払ったあと5日ほどで立て替えて入金することで店の資金繰りを助けるサービスを提供しています。
「全東信」には店側から手数料が支払われ、利益を上げていたということです。
「早期立替払い」を売りにした「全東信」は、売上金の早期の現金化を求める店舗から支持され、2018年には導入する店舗が全国で20万店以上に上りました。
しかし、新型コロナの影響で飲食店の休業が相次ぐなどして採算が悪化。
そして、7月6日、「全東信」は大阪地裁から自己破産手続き開始決定を受けました。負債総額は約1151億円、今年最大規模の倒産です。
「まさかそんなこと」売り上げの約15万円が未入金
大阪のある飲食店では、7月6日の営業中に突然クレジットカードが使えなくなりました。
全東信と契約していた 飲食店オーナー
「カードを通したら通らなかったんです。機械が壊れたのかなと思って」
「『カード使えないなら飲みに行くのやめておこうか』とか『食べに行くのやめておこうか』と思う人は多分多いと思う。ダメージあるよね、やっぱり」
さらに、7月以降の売上約15万円が入金されていないと言います。
全東信と契約していた 飲食店オーナー
「うちなんか20年くらい全東信さんでやっているから、まさかそんなことになると思っていない」
調査会社によると、入金が滞っている店舗は、全国で約2万店あり、総額50億円以上に上るということです。
一方、「全東信」の破産管財人を務める弁護士は、「約束していた期限に弁済することはできない」と話しています。
他社サービスに移行の動きも 飲食店の摸索続く
「全東信」の破産から一週間。加盟店の中では、新たなキャッシュレス決済サービスに移行する動きが始まっています。
「STORES」では、元加盟店に向けて全東信と同様のサービスを提供できると売り込んでいます。
STORES 井尾慎之介本部長
「半分以上のお客様が、クレジットカードであったり、何らかのキャッシュレス手段を使いたいというご要望があり、大体4~5倍ぐらい通常時よりも問い合わせや相談がある」
13日、新たな決済サービスへの切り替えを決断した東京・中野区の割烹料理店。
この店が重視したのは、売り上げを一日でも早く受け取れる仕組みでした。
店主
「やっぱり実情、飲食店事情で言うと、現金仕入れで常に動いているので、決済サービスがうちの売上金の生命線にもなる」
USEN PAY
・決済代金の翌日入金
・端末レンタル費用 無償 など
※条件付き
USEN PAY 営業本部 中山一翔課長
「僕ら自身もすごく驚いたニュースではあったが、裏を返すとお困りになられる方が多いところも実態としてありますので、いち早くお客様へのご案内が必須」
夏休みのかき入れ時を前に突然、決済インフラを失った飲食店。これまで通りの営業を続けるための模索が続いています。
活魚和食処「海花」森裕一朗さん
「だから頑張るってこと。こっちがしょげていたって客に印象良いわけじゃないんで。印象の良さを持って帰っていただけるようにやっていこうかなと」
経産省「特別相談窓口」や貸付緩和で支援へ
【経産省 3つの支援策】
▼全国378か所の政府系金融機関等に「特別相談窓口」を設置
▼日本政策金融公庫のセーフティネット貸し付け要件緩和
▼信用保証協会による事前相談の受け付け開始
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
飲食店で入金が滞るという困ったケースで、それに加えて、地方の銀行とか信用金庫などが全東信に融資をしたり、債権を持ったりしていて、そこで滞っていわゆる焦げ付きになる可能性があります。
【取り立て不能・遅延のおそれ】
負債総額 約1151億円
▼近畿産業信用組合 約219億円
▼東京スター銀行 約80億円
▼東和銀行 約80億円
▼山口銀行 約74億円
▼大阪厚生信用金庫 約68億円
※JNNが入手した破産申立書による
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
金融機関自体が困るのは当然ですが、これによって中小企業への貸し渋りが起きる可能性があります。
そうすると、「全東信」とは関係のない企業にも影響が出てきてしまうため、政府や経産省、金融庁だけではなく、地方自治体も支援に動いてもらいたいです。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身