熊本地震一か月 「あの日生まれた命」福田病院 地震当日13人の赤ちゃんが誕生 発生13分前に生まれた母娘を取材【Nスタ】
地震当日に13人の赤ちゃんが産まれた熊本市の福田病院。
日本で一番分娩が多いというこの病院では揺れた当時も分娩室に10人ものお母さんがいました。
地震の前後に生まれてきた赤ちゃん、
ご家族、そして病院の1か月を取材しました。
「守るのに必死だった」 赤ちゃんと面会中に震度5強の揺れが…
熊本市の福田病院。年間4000人を超える赤ちゃんが誕生しています。
8月26日に1か月検診を受けにきた井上燈璃(とうり)ちゃん、元気な男の子です。地震の前日(7月27日)に生まれました。
医師
「元気です。順調だと思います」
母の楓さんと、父の成樹さん。燈璃ちゃんは、井上家にとって3人目の子どもです。
母・楓さん
「寝そう」
父・成樹さん
「また寝るの?ほんまや、寝そうや」
地震が起きた7月28日。前の日に生まれた燈璃ちゃんに会うため、家族全員で面会に来ていました。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、初めての弟に興味津々。その時、震度5強の地震が病院を襲いました。
母・楓さん
「もう急いで燈璃を抱っこして、みんなでベッドに(集まって)。夫がみんなに覆いかぶさってくれた感じで」
父・成樹さん
「上から何か落ちてこないかって、守るのに必死だった」
30秒ほど続いた大きな揺れ。幸いにも、家族は全員無事でした。
「これから抱っこという状況で…」 出産13分後に地震発生
地震当日、福田病院にいた赤ちゃんは88人。その中には、あの日生まれたばかりの命も。
7月28日生まれの女の子、坂本葵ちゃんです。
母・希さん
「出産したのが、夕方の4時14分ですね」
生まれたのは、地震発生の13分前。予定日から10日が過ぎて誕生した、待望の3人目です。
母の希さんは、生まれた直後に顔を見せてもらい、これから抱っこという状況でした。
母・希さん
「(自分は)処置をしてもらっていた。揺れでびっくりして、助産師さんにしがみついた。赤ちゃんの方は少し離れたところで、先生と助産師さんに処置してもらっていた。ベビーベッドを押さえていただいて、安全確保しているような様子だった」
娘が心配だった希さん。
母・希さん
「こちらは地震の5分後くらいなんですけど、大丈夫かなと思って1枚撮った写真」
まだ痛みが残るなか、体を起こし、必死に手を伸ばし娘を撮影したそうです。
「10年前の経験が生きた」 地震当日・翌日にも27人が誕生
その日、病院は設備の安全確認に加え、提携する病院から妊婦の受け入れなどの対応に追われていました。
福田病院 河上祥一 院長
「10年前(の地震)もしましたけど、各病棟に何人いて、何人赤ちゃんがいてという状況把握ですよね。10年前(の地震)の経験が生きたと思います」
余震が続くなか、2日間で27人の赤ちゃんを取り上げました。
希さんが葵ちゃんを初めて抱っこできたのは、地震の翌日。
母・希さん
「入院してから出産までが長かったので、ようやく会えたなということで、とても嬉しい気持ちでした」
一方、地震の前日に生まれた燈璃ちゃんは、8月27日で生まれて1か月。体重は1キロ増えて、約4キロになりました。
母・楓さん
「もう、本当にいてくれたからこそぱっと明るくなって、嫌なことを忘れられる。みんなが笑顔になる存在」