簗農水相は行政への“圧力”否定も…自治体配分「63%減」 道路交付金はどう決まる?【Nスタ解説】
「予算カット」発言をめぐり追及を受けている簗農林水産大臣。きょう(7日)も「予算の減額を求めるようなことは一切やっていない」と述べ、改めて行政への圧力を否定しました。
「予算カット発言」に波紋…なぜ国土交通省に問い合わせ?
井上貴博キャスター:
6日に行われた国交省の会見では、簗和生議員を支援した自治体の予算は増え、支援しなかった自治体の予算は減ったことへの合理的な説明や根拠が示されませんでした。
発端は5月、簗和生 農林水産大臣(47)の「那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については大幅にカットしました」という発言です。
簗議員は7日の取材に応じ、2市町の予算配分を問い合わせた理由について、「地元の人から『予算がどういう状況になるか』とお声があったので確認した」と回答しました。
6日に行われた国土交通省の会見は2時間にも及びました。
ここで、時系列をまとめます。
2月8日、衆議院議員選挙で簗議員は比例復活当選を果たします。2月中旬に簗和生議員から国交省に問い合わせがあり、4月に予算が成立しました。予算成立後に国交省から簗大臣に対して説明がなされ、5月に地元の会合で予算カット発言があったということです。
▼時系列
2月8日 衆院選 比例復活当選
2月中旬 簗大臣が国交省に問い合わせ
4月 予算成立
国交省から簗大臣に対し、予算配分の説明
5月 地元の会合で予算カット発言
「予算カット発言」同期の副大臣も官房長に問い合わせ
井上貴博キャスター:
わかったことについても見ていきます。
2月中旬、当選6回の簗副幹事長(当時)から国交省官房長に問い合わせがあったことについて、6日、国交省は「担当した者が細かいメモがないためハッキリと覚えていないが…」と回答しました。
簗議員がまず電話で呼び出したのは国交省の官房長です。問い合わせの窓口の中でトップと言って差し支えない官房長が応じたということです。
その後、2つの自治体の予算配分の問い合わせを受けた官房長は、上司(事務次官・技監)に報告し、「この場ではわからない」と答えたそうです。
信州大学特任教授 山口真由さん:
当選6回で官房長に問い合わせをしたことを不自然だとは思いません。ですが、最近、ガバナンスの観点から、ロジックを持って官僚とともに働いていく政治家像が求められていて、少しずつ増えていることを踏まえると、簗大臣は旧来型というか、パワー重視で威圧するタイプの政治家なのかと感じてしまいました。
井上キャスター:
もう一つわかったことがあります。
問い合わせをしたのは官房長だけではありませんでした。
当選6回の同期・佐々木紀総理補佐官(51 当選6回 当時:国土交通副大臣)も国交省官房長に問い合わせをしていたことが分かりました。
簗議員が佐々木議員に問い合わせをして、佐々木議員がまた官房長に問い合わせをしたという、2つのルートからの問い合わせが入っていたということです。
4月に予算成立後、佐々木議員から簗議員へ予算配分を説明し、簗議員を支援していなかった2つの自治体の予算が、2025年度に比べて那須烏山市は約63%減、那珂川町は約54%減となりました。
予算を削られた2つの市(昨年比)
▼那須烏山市 約63%減
▼那珂川町 約54%減
信州大学特任教授 山口真由さん:
経緯がつぶさに説明されたわけではないため、正確には分かりません。ですが、通常であれば、例えば総理や官房長官周辺からの問い合わせでない限り、予算が動くことは考えにくいと思います。
道路関係の交付金 どう決まる?
井上キャスター:
佐々木議員は7日、「問い合わせを受けた際、簗議員から予算削減の働きかけも圧力もございませんでした」と話していたということです。
国土交通省は、一議員から問い合わせがあって予算配分が変わるという趣旨のものではないと話しています。
その上での疑問は、実際に簗議員を応援した自治体の予算が増えて、応援しなかった自治体の予算が減らされていることです。
【栃木3区 国から交付金の一部 2025年度比】
〈簗氏を応援〉
▼那須町 約34%増
▼那須塩原市 約11%増
▼矢板市 未申請
〈簗氏を応援せず〉
▼大田原市 約23%減
▼那珂川町 約54%減
▼那須烏山市 約63%減
一般的に、近接している自治体でこれだけ予算配分が大きく変わることはあることなのでしょうか。
信州大学特任教授 山口真由さん:
説明を見る限り、全体の配分とプロジェクトの進捗状況について話していたので、より明確に説明すべきだったと思います。
箇所づけというのは、おそらく理屈があってやっているものだと思いますので、それが説明できないのは逆におかしいと思います。
井上キャスター:
道路関係の交付金がどのように決まるのかというと、毎年1月から2月ごろに都道府県が市町村の要望をまとめて国土交通省に提出します。受け取った国土交通省が4月ごろに予算配分の内示を行うという流れです。
道路関係の交付金については、事業の進捗状況や要望を総合的に勘案して出すということですが、それにしてもこれだけ自治体間の差が出たことについて説明をすべきなのではないでしょうか。
信州大学特任教授 山口真由さん:
そのような行為についてきちんと説明をすることが官庁の透明性を高めていくと思います。そして、その記録をきちんと残しておくことが官庁としての継続性を担保すると思います。簗議員はもちろん、国交省の態度というのが問われていると感じます。
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<プロフィール>
山口真由さん
信州大学特任教授 ZEN大学教授
財務省、弁護士を経て現在は「家族法」研究が専門