「パリがここまで荒らされるとは…」生活費高騰などに抗議 「夜間外出禁止令」の要請も フランス大規模デモが欧州各地にも拡大【news23】
いまだ収まる気配がみえないフランスの抗議デモ。一部で暴徒化し、放火や略奪が相次ぐ事態となっています。パリに暮らす日本人が緊迫する現地の様子を語りました。
【写真で見る】「ここまで荒らされるとは…」パリ滞在の日本人が見た惨状
「デモをしなければ私たちの声は届きません」今、パリで何が?
催涙弾の音が響くと、人々は危険を感じとり、その場から駆け出しました。
場所は、パリの観光名所・ルーブル美術館周辺です。
撮影者によると17日午後4時頃、アルバイト先に行く途中でこの場に遭遇したそうです。
治安部隊は、デモに参加した市民に対し、容赦なく実力行使に出ます。
デモ参加者
「そいつは何もしてないぞ」
フランスで17日に起きた、ガソリン代や食費などの高騰に抗議する大規模なデモ。全土110か所で行われ、55万人が参加しました。
フランスでは高校生らが教員の不足や校舎の老朽化、クラスの過密化などの改善を求めて、9月から抗議デモを続けていました。
今回、生活苦などを訴える市民なども加わり、次第に規模を拡大していきました。
デモ参加者(21)
「ここに来ているのは生活費が恐ろしく上がっているからです。戦争のことばかり話題になるし、政府は何もしてくれません」
学生(19)
「デモをしなければ私たちの声は届きません。こうして集まり不満を表明することは、非常に重要で物事を変えるための基本です」
デモは次第に激しさを増し、一部が暴徒化し治安部隊と衝突。街のいたるところで炎もあがりました。
デモの混乱に乗じて、店舗への略奪行為も相次いで発生。高級ブランドが軒を連ねるシャンゼリゼ通りでも被害が出ました。
マルセイユでは、瓦礫が散乱したままの店で…
靴店のオーナー
「50人、100人、200人の人が略奪し、店を空っぽにしていました。突き飛ばされて私は倒れ、(略奪者に)踏みつけられました。辛く酷いことで衝撃的でした。これ以上続けるべきではないと思います」
一連のデモでは、これまでに2300人以上が拘束されました。
「SNSで見る以上にショック」パリ滞在の日本人が語る
日本時間の19日午後8時すぎ、パリで暮らす日本人に話を聞きました。
パリに滞在する女性
「世界的な大都市で、これだけ街の中心地。ここまで荒らされるのを見たことがないので、実際目の当たりにすると、SNSで見る以上にショック」
2週間前からパリに滞在。これまでも海外生活の経験はあるものの、今回は初めての状況だと話します。
パリに滞在する女性
「今後1年いる予定だが、来年どうなっているか。いつどうなるかわからない状況、ヨーロッパは。どれくらいいられるのか、少し不安に感じる」
中部・リモージュでは、1883年に建てられた歴史的な市庁舎が崩れ落ちました。何者かによって放火されたとみられています。
リヨンでは、街を通過する車両めがけて物を投げこむ人たち。
集まって騒ぐ集団の横では、観光案内所を破壊。館内では炎があがります。
マルセイユの市庁舎には、デモ参加者の一部が侵入している様子も。
「夜間外出禁止令」各県へ要請 店舗保護など首相が発表
マクロン大統領は18日の夜になって、一連の破壊行為を受けて緊急演説を行い、事態の沈静化を呼びかけました。
そのうえで、ガソリン代などの高騰は「フランスが関与しないペルシャ湾での紛争に起因するものだが、継続して改善に取り組む」と表明しました。
ルコルニュ首相は19日、各県の長官に対し、店舗や財産の保護を目的とした「夜間外出禁止令」を出すよう要請したと明らかにしました。
さらに抗議デモは、ヨーロッパ各地に広がっています。
生活費高騰などへのデモが起きたイタリア・ミラノ。ここでも暴徒化した一部が略奪行為などに及び、治安部隊が催涙弾で鎮圧する事態に。
ベルギーやアルバニアでも大規模なデモが行われていて、混乱の拡大が懸念されます。