妊婦の7割が支障…国内初「つわり」治療薬の治験スタート 「がまん」から「治療」へ 新たな選択肢に?【Nスタ解説】
妊娠中の女性のおよそ半数が経験するという「つわり」。国内で初めてとなる、治療薬の承認に向けた取り組みが始まりました。
保険適用外で一錠2000円の「つわり症状軽減の薬」とは
妊婦の生活や仕事にも大きな影響が出る「つわり」。
30代(子ども1歳)
「ご飯を炊く、あのにおいがだめでした」
20代(子ども1歳)
「よだれづわりっていうのもあって、よだれ飲み込むのも気持ち悪くて」
40代(子ども2人)
「私は出産までありました。あきらめて、ずっと我慢」
都内のクリニック「はなおかレディースクリニック」では、2026年から“ある薬”を処方しています。
はなおかレディースクリニック 花岡正智 院長
「妊娠中の吐き気や気持ちの悪さに効果がある薬と言われている」
つわりの症状が軽減するという薬「ボンジェスタ」。
世界40か国以上で使われていますが、日本では未承認のため、こちらのクリニックでは海外から輸入し、専門的な診療のもとで処方しています。
保険の適用外で1錠2000円。
それでも毎月20人近い患者が相談にやって来るといいます。
はなおかレディースクリニック 花岡正智 院長
「(つわりで)日常生活が送れなくなってくると、ご相談にいらっしゃいます」
約7割の人が“つわり”で生活や仕事に支障が… つわり薬普及の動きへ
いま、この未承認のつわり薬を国内で承認、普及させていこうという動きが加速しています。
「持田製薬」は今週、この薬と同じ成分の薬を、日本で導入するための治験を始めたと発表しました。
有効性や安全性を調べ、2030年までに国の承認を受け 、国内初のつわり治療薬として販売を目指すということです。
ある調査によると、妊娠中「つわりで生活や仕事に支障が出た」と回答した人は約7割にのぼります。
20代(子ども1歳)
「職場には申し訳ないけど、お休みいただいて、ずっと寝たきり」
30代(子ども1歳)
「夫に任せっぱなしで(お手伝いを)お願いしていました」
こうしたことから、日本産科婦人科学会は「つわりの症状は妊婦の生活だけでなく、家族や社会全体に与える影響も大きい」として、国に“つわり薬”の導入を要望していました。
いまも複数のクリニックでは、医師の厳格な管理のもと処方されていますが、未承認の薬のため、重篤な副作用が生じた場合、原則、国の補償の対象外です。
“つわり薬”が今後承認され、保険の対象となれば、安心できる大切な治療の選択肢になってくるといいます。
はなおかレディースクリニック 花岡正智 院長
「我慢ではなく解決していくことであるということを知っていただくことも大事」
「新たな選択肢に」安全性は多くのデータが存在
出水麻衣キャスター:
妊娠初期だけではなく、産む瞬間までつわりに苦しんだという体験談も聞きます。
“つわり薬”が承認されるとなると、「安全性」が気になるかと思います。
日本産科婦人科学会 副理事長・関沢明彦医師によりますと、安全性についてはデータが多く蓄積されているとのこと。
そのうえで「全てを解消できないが、症状軽減の新たな選択肢に」と言います。
(眠気など副作用が生じることも)
女性たちにとって、こういった薬が使えるという選択肢は、あるだけで心強いのではないでしょうか。