取り合わせの良いものの例え、それが「梅に鶯」です。
実際にこれらの言葉は相性の良い2つのものを指します。
しかし、なぜ「梅に鶯」だったのでしょうか?
今回はそれら「梅に鶯」という言葉について解説します。
ここではその意味だけでなく由来や語源、類義語についても説明します。
「梅に鶯」とは
まずは「梅に鶯」の意味について見ていきましょう。
「梅に鶯」の意味
「梅に鶯」とは取り合わせの良いものの例えです。
特に美しく調和するものの例えとして使用されます。
これらは風情を感じられるものの褒め言葉とされます。
それだけでなく仲の良い間柄の例えとしても使用されるのが特徴です。
転じて、2つのものがよく似合っている意味でも使用されます。
さらには切っても離れないようなものを表すこともあるなど、多種多様な用途を持つ言葉となっています。
「梅に鶯」の由来
では「梅に鶯」はどこから来たのでしょうか?
これに関してはある昔話が由来や語源だとされています。
その昔、ウグイスは梅の花の蜜を吸いにやってきては鳴くものだと考えられていたそうです。
それら梅の花が咲く枝にウグイスが止まっている様子はとても絵になるものでした。
転じて、美しいものが調和していることを意味するようになったとされています。
現代では夫婦やカップルなどに対して「あの2人は梅に鶯だね」というように表現されることが多いです。
このように「梅に鶯」は相性が良いもの全般に使用できる言葉となっています。
古くから日本で愛されてきた「梅に鶯」
ここからは古くから愛されてきた「梅に鶯」という表現について見ていきましょう。
万葉集の時代から用いられる「梅に鶯」
梅とウグイスという組み合わせは、実は昔から詩歌や絵画に描かれてきたものとされています。
実際に「万葉集」などがあった時代から見られた表現で、古くから美しく調和するものの表現とされたと考えられます。
ただし、これらの言葉は日本だけのもののように思われていますが、実は中国から伝わったものだそうです。
そもそも梅は中国が原産であり、漢詩で「花」といえば通常は梅の花を指すことが多かったのだとか。
特に現地では梅の花とウグイスの組み合わせを漢詩の題材にすることが多かったともされています。
そこから「梅に鶯」という表現が生まれたと考えられます。
花札の「梅に鶯」は間違い?
花札には「梅に鶯」を描いた絵札があります。
しかし、これら花札の「梅に鶯」は間違いだそうです。
そもそも梅の花の蜜が好きなのはメジロという鳥とされます。
むしろウグイスは警戒心が強く、虫を食べることが多いです。
そのため、ほとんど庭先などにはやって来ないのだとか。
事実、花札にあるウグイスも実はメジロという鳥です。
花札にウグイスとして描かれている鳥は緑色をしていますが、本来のウグイスは灰色です。
いわゆる「うぐいす色」をしているのはメジロの方だと言えるわけです。
そのため、花札の「梅に鶯」は厳密には間違いと言えます。
ただし「梅に鶯」などの言葉はむしろ相性の良いものを例えた表現と言えます。
そのため、花札の表現としては誤りかもしれませんが、風情があるという点では間違いとも言い切れません。
「梅に鶯」の類義語
最後に「梅に鶯」の類義語について見てみましょう。
牡丹に唐獅子
「牡丹に唐獅子」とは獅子に牡丹の花を配した図柄のことです。
これらは相性が良いものの例えとして使用されます。
事実、取り合わせの良いものの例えとして使用されることが多いです。
それら配合などが調和するという点が「梅に鶯」と共通しているのではないでしょうか。
紅葉に鹿
「紅葉に鹿」とは花札の10月の札のことを言います。
主に取り合わせの良いものの例えとして使用されます。
実際に紅葉とシカは風情があって美しく調和するとされており、花札などにも採用されているのが特徴です。
それら相性が良いという表現であるところが「梅に鶯」と似通っています。
まとめ
「梅に鶯」は梅の木に止まっているウグイスを意味します。
それら風情のある様子を「梅に鶯」と表現するわけです。
転じて、取り合わせの良いものの表現として使用されるようになったとされています。
これらの言葉は夫婦やカップルの仲が良いことなども指すため、近年は幅広い表現の1つとなっています。
そちらも含めて使用してみましょう。