細かな努力を積み重ねることを「粒粒辛苦」と言います。
これは大変な苦労をして何かを実現することも指します
要は成功は努力や苦労なくして成しえないことを説いた四字熟語なのですが、何て読むかわかりますか?
「つぶつぶからにが」と書いて「りゅうりゅうしんく」と読みます。
今回は「粒粒辛苦」について解説します。
特にここではその意味はもちろん由来や語源、類義語についても説明します。
「粒粒辛苦」とは
まずは「粒粒辛苦」の意味について見てみましょう。
「粒粒辛苦」の意味
「粒粒辛苦」とは細かな努力を積み重ねて大変な苦労をすることの例えです。
これらはコツコツと努力や苦労をすることを言います。
実際に成功のためには小さな努力や苦労が欠かせないということを言った教えや戒めでもあります。
中でも「粒粒辛苦」はかつて穀物の実の一粒一粒が辛苦の結晶であることを言った言葉でした。
そこから転じて、仕事は小さな努力や苦労の積み重ねによって成し遂げられるということを意味するようになったそうです。
「粒粒辛苦」の用い方・例文
「粒粒辛苦」は何か成功した際に使用する言葉です。
もしくは成功を目指して努力や苦労をするような場面で使用される四字熟語となります。
実際に何事もコツコツと継続することが重要です。
むしろ大義を成すにはそれら小さな積み重ねがないと何も始まりません。
それら努力や苦労を惜しまずに積み重ねていくような状況で「粒粒辛苦」は使用されます。
「粒粒辛苦」の成り立ち
では「粒粒辛苦」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからは「粒粒辛苦」の由来や語源についてまとめます。
「粒粒」とは穀物のこと
「粒粒辛苦」を紐解くにはそれぞれの熟語に分けて考えるとわかりやすいです。
そもそも「粒粒」は穀物の一粒一粒を表しています。
実際にそれらの穀物は農民の努力と苦労の結果として実ったものです。
農業はまさに自然との戦いであり、成功することもあれば失敗することもあるのが普通です。
その度に農民は学び、新たな試みをすることで農作物を作り上げてきたと言えるでしょう。
むしろその努力と苦労がなければ美味しい穀物が実ることはありません。
それら農民の汗と涙の結晶を表した言葉、それが「粒粒辛苦」となります。
農民の辛苦を詠んだ詩の一節から
「粒粒辛苦」は米を作る農民の辛苦を詠んだ詩から来ているという話があります。
その話というのが李紳の「憫農」に見られる一節にあります。
それが「鋤禾日當午、汗滴禾下土、誰知盤中飧、粒粒皆辛苦」というものです。
これは「稲の間に生えた雑草を除こうと耕している間に太陽が昇って昼になる。稲の根元の土にも汗が滴り落ちる。一体誰が知っているのだろう。大皿に盛られた夕飯はその一粒一粒が農民の辛く苦しい労働の結晶であることを」という意味です。
「辛苦」はそれら努力や苦労を積み重ねることを意味していると言えるでしょう。
実際に米を作るのは毎日の地道な仕事があってこそです。
それら農民の努力や苦労を表現した詩から「粒粒辛苦」が生まれたと言われています。
「粒粒辛苦」の類義語
最後に「粒粒辛苦」の類義語についても見てみましょう。
「粒粒辛苦」の類義語には「苦心惨憺」「千辛万苦」などがあります。
苦心惨憺
「苦心惨憺」とは非常に苦心して工夫を凝らすことの例えです。
「苦心」はあれこれ努力して苦労することを言います。
「惨憺」は心を砕いて悩むことを指します。
それら苦心して工夫を凝らすところが「粒粒辛苦」と似ているのではないでしょうか。
千辛万苦
「千辛万苦」とはたくさんの辛いことや苦しいことの例えです。
「千辛」はたくさんの辛いことを指します。
「万苦」はたくさんの苦しいことを言います。
「千」と「万」は数え切れないほどの数を意味するそうです。
それら数え切れないほどの努力や苦労を積み重ねていくところが「粒粒辛苦」に通ずるのではないでしょうか。
まとめ
「粒粒辛苦」は努力や苦労を積み重ねることを言います。
これらは穀物を作る農民の様子から生まれた言葉です。
事実、農作物は日々の努力や苦労があって初めて生まれるものだと言えます。
私たちの生活も日々の「粒粒辛苦」があってこそです。
この言葉はぜひ心に留めておきたいところです。