「唯々諾々」とはどんな意味の四字熟語?その由来や類義語は?

2023-05-01 00:30

相手の言動に「はいはい」と従うことを「唯々諾々(いいだくだく)」と言います。
これらは他人に逆らわずに同調することを言う四字熟語です。
しかし、それをなぜ「唯々諾々」と表現するのでしょうか?

今回はそれら「唯々諾々」という四字熟語について説明します。
特にここではその意味だけでなく成り立ちや類義語も説明します。

「唯々諾々」とは

まずは「唯々諾々」の意味について見ていきましょう。

「唯々諾々」の意味

「唯々諾々」とは他人の言動に逆らわらずに賛成することです。
これらは物事の良し悪しに関係なく従うことを言います。
要は相手に「はいはい」と従っていることを言うのです。

実際に他人の言いなりになっている人に対して揶揄的な表現として使用されることもあります。
昨今では自分の意思がない人への教えとしても使用されます。

「唯々」と「諾々」があらわしているもの

「唯唯」も「諾諾」もかしこまった返事を表す言葉です。

「唯唯」は逆らわずに他人の言うことに従うことを意味します。
「諾諾」は自分の意見を持たず文句もなく従うことを意味します。

どちらも相手に「はいはい」と従っている様子を指す言葉です。
それらを重ねて成り立っているのが「唯々諾々」となります。

「唯々諾々」の由来

では「唯々諾々」とはどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからは「唯々諾々」の成り立ちについてまとめます。

出典は韓非子に書かれた訓戒から

「唯々諾々」は「韓非子-八姦」という訓戒から来ています。

そこには「優笑侏儒、左右近習、此れ人主未だ命ぜずして唯唯、未だ使わずして諾諾、意に先だち旨を承け、貌を観色を察し、以て主の心に先だつなり」という一節があります。

これは主人が命令せずとも「はいはい」と従う従者などについて言った表現です。
特に主人が何も言わずともその意向に対して先回りすることを言った表現となります。

「唯々諾々」はそれら主人の様子や顔色をうかがいながら動く者たちを例えた言葉です。

現代では主人だけでなく相手の言いなりになっている人全般を指すことが多いかもしれません。
それら少しも逆らう素振りを見せないこと「唯々諾々」と表現するわけです。

「唯々諾々」の類義語

最後に「唯々諾々」の類義語を見て終わりにしましょう。
「唯々諾々」の類義語には「百依百順」「順従謙黙」「付和雷同」などがあります。

百依百順

「百依百順」とは何でも人の言いなりになることです。

「依」は寄りかかったりもたれたり頼ったりすることを指します。
「順」はまったく逆らうことなく従うことを表します。

そこに「百」という言葉が付いているのが「百依百順」です。
この「百」を加えることで何に対しても人に従うという意味を強調している形となっています。

それらの点が「唯々諾々」と重なるのではないでしょうか。

順従謙黙

「順従謙黙」とは相手に従ってばかりで自説などを主張しないことです。
これは他人の言うことには従うものの自分自身は控えめであることを意味する四字熟語なのです。

なお「順従」は相手に従うことを意味します。
また「謙黙」はあまり喋らないことを意味します。

転じて自分の意思がなく相手に従ってばかりの状況を意味するようになったのだとか。

それらの点が「唯々諾々」に通ずるのではないでしょうか。

付和雷同

「付和雷同」とは自分の思考がなく他人に同調してばかりのことを言います。
その中でも自分の主義などを持っておらず他人の言動にすぐ同調するようなことも意味します。

要は同調してばかりで自分がない人を言った表現です。
それらの点が「唯々諾々」と同じだと言えるでしょう。

まとめ

「唯々諾々」は自分の意思を持たずに相手に同調してばかりいることを言った表現となっています。
これらはただ言われたことに対して反論せず、従っているような人も意味します。

現代ではあまり良い意味で使用されることはありません。
むしろ悪い意味で使用されることが多いので、もし「君は唯々諾々だな」と言われたら注意しましょう。

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