「千秋万歳」という熟語には、大きく2つの意味があります。
ひとつは永遠のように非常に長い歳月を、もう一つは衰退することなく長く反映することを願うお祝いの言葉です。
ここでは、この「千秋万歳」の意味や類義語、そして他の場面でも使用される「千秋万歳」について解説します。
「千秋万歳」とは
「千秋万歳」の意味と「千秋」と「万歳」があらわすもの見ていきましょう。
「千秋万歳」とは
「千秋万歳」は、非常に長い年月のことをあらわしています。
そこから、長寿や永遠をあらわすようにもなり、永きにわたる繁栄と幸福を願うお祝いの言葉としても使用されます。
「千秋」も「万歳」も長い年月を指す
千秋も万歳も長い年月を指す言葉です。
千秋は、秋を1000回迎えることつまり千年をあらわし、万歳は一万年をあらわしています。
ちなみにお祝いの動作や言葉としてのバンザイは、本来皇帝にのみ使用するものです。
なぜなら、この万歳は皇帝の寿命を表す言葉でもあるからです。
千年と一万年というどちらも長い時間をあわらす言葉を組み合わせた言葉が「千秋万歳」となります。
「千秋万歳」の類義語
「千秋万歳」のように長寿を表す言葉として「南山之寿(南山の寿)」、永遠の時をあらわす言葉として「千秋万古」があげられます。
南山之寿(南山の寿)
長寿を祝うときに用いる「南山之寿(南山の寿)」。
この南山というのは、中国にある終南山のことです。
この山は遥か昔よりあり、堅固でこわれないものの例えとされたことから長寿をお祝いする席で用いられるようになりました。
千秋万古
永遠の歳月を指す言葉として「千秋万古」という言葉もあります。
「万古(ばんこ)」もまた永遠をあらわす言葉なので、その意味合いは「千秋万歳」と大きく変わりません。
「千秋万歳」にまつわる豆知識
千秋万歳は非常に古い言葉です。
そのため、今では見ることのできない存在であったり、特殊な場所でのみ使用する言葉であったりもします。
「千秋万歳 福は内」
節分における豆まきの掛け声として定番なのが「鬼は外 福は内」です。
しかし、東京・浅草にある浅草寺で行われる節分会では、「鬼は外 福は内」ではなく「千秋万歳 福は内」という発声が行われます。
これは、本尊となる観世音菩薩の前には鬼なんていないという考えに由来するものなのだとか。
ちなみに、浅草寺では宝船を子供たちが引く「宝の舞」や「福聚の舞(七福神の舞)」が行われますが、どちらも観世音菩薩の福徳を称えるものとされています。
かつて存在した祝福芸「千秋万歳」
かつて正月に「千秋万歳(せんずばんざい)」というも祝福芸をしていた人もいたとされます。
新春となる正月に家々を訪れては長寿繁栄を祝うというもので、扇をかざした一人がお祝いの言葉を述べながら舞い、もうひとりは鼓を打ち囃しながら合いの手を入れるという掛け合いで進められていたのだとか。
まとめ
「千秋万歳」は長い年月を意味する四字熟語です。
「千秋」も「万歳」も非常に長い歳月をあらわすことから永遠といった意味合いとなりました。
そのため、長寿を祝う言葉としても使用されます。
また、浅草にある浅草寺では節分の掛け声として「千秋万歳 福は内」と発声されます。