順番を問わないという意味で使われる「順不同」という言葉。
この順不同は、年功序列などを考慮していないというニュアンスが含まれています。
並び順に意図するものは無いというのを主張して用いられるのです。
そこでここでは、「順不同」がどのような並び方を指すのか解説します。
「順不同」とは
まずは、「順不同」がどのような言葉なのかを見ていきましょう。
「順不同」の意味
順不同は、並べ方や順序が揃っていないことをあらわす言葉です。
「順序不同」の略語とされています。
不同が揃っていないことをあらわす言葉なので、並び方や順序に統一性が無いという事が文字からも分かるという事ですね。
恣意的な物はない並び順に
順不同は、並び順に恣意的な要素がないことを強調しています。
貴賎や優劣による順序ではないことを明示するための表現となっています。
多くの場合、名前などが出される際は順列が存在します。
1番や2番といった成績の良し悪しの順であったり、役職や席次であったり名前の順による並び方がされることもあります。
しかし、順不同はこれらの要素を考慮しません。
むしろ、積極的にそれらの要素を見ないようにします。
例えば、フォーマルな場などでは上下関係や古くからの関係性などを考慮していたらきりがありません。
そこで、あえて順列を度外視する手段を取ることで手間を省くと共に、並びに何の恣意的な物がないことをアピールすることで、参加者たちなどから順序を気にするという要素を取り除くことができるのです。
「順不同」の類義語
順不同の類義語には、「無作為」があげられます。
「無作為」とは
無作為は、偶然に任せることをあらわしています。
「作為」が、自らの意志で作り出すことをあらわす語句です。
つまり、無作為というのは「作為がない=自らの意志で作り出さない=偶然に任せる」状態になります。
同時に使われることのある「敬称略」
順不同とセットで使われる表現に「敬称略」があります。
「敬称略」とは
敬称略とは、文字通り敬称を省略することをあらわしています。
日常では、人の名前を呼び捨てにするのは失礼とされることから「役職」や「様・さん」と付けます。
しかし、そうすると多くの人の名を呼ぶ場では読み上げにくくなりますし、時間もかかります。
そして何より、役職などが読み上げられたら、参加者の序列が明確になってしまいます。
そうすると、せっかく順不同にして人間関係などをフラットにした意味がありません。
そのため、順不同の際は敬称略もセットになることがあるのです。
「順不同」の対義語は基準のある言葉
順不同の対義語には「特定の規則に従って並んでいること」をあらわす言葉があげられます。
あいうえお順(ABC順)
あいうえお順は日本人が多用する並び順です。
五十音順で人物や物を並べることで、規則性を持たせます。
アルファベットによるABC順も同様の並び順です。
先着順
先着順は、先に着いたものや先に届け出されたものから順に並べる方式です。
これも後から来たものは後ろになるという決まった流れに沿って明確な順番が出来上がります。
まとめ
「順不同」は、順番に規則性がないことをあらわす言葉です。
恣意的な意図がないことを明確にするため、順不同の場合は明確に表記されます。
また、「順不同」はセットで「敬称略」が使われる事もあります。