クジャクは派手で美しい羽根を持つことで知られる鳥です。
その豪華絢爛な羽根は非常に大きいので、飛べない鳥と思われることもあります。
ところが実際には、クジャクは空を飛ぶことができるんですよね!
そこで、大きな羽根を持つクジャクがどういう鳥なのか。
あの羽根にはどのような役割があるのかを解説します。
クジャクの美しくも大きな羽根
クジャクの代名詞となっているのが、美しい羽根です。
しかし、そもそもなぜそのような羽根を持っているのでしょうか?
派手な羽根を持つのはオスだけ
クジャクの中でも、派手な羽根を持っているのはオスだけです。
地面に垂れ下がるほど大きな飾り羽根を持つのはオスの証で、クジャクのメスにはありません。
また、この羽根は年中あるわけではありません。
繁殖期のみあるものであり、毎年生え変わっているのです!
クジャクの飾り羽根は、全部で約150枚、全長1.5cmにも及びます。
この飾り羽根は、メスに求愛する役割があります。
羽を大きく開いてメスにアピール!
クジャクのオスは飾り羽根を扇状に開くことで、メスにアピールをして求愛行動をとります。
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その際、ただ広げるだけでなく前後に動かしたりもしていますね。
大きな飾り羽を広げ、動かすことでアピールをし、OKをもらえれば、はれてカップルになれるわけですね。
クジャクの羽の色は何色?
クジャクの羽の色は、極彩色でありながら虹色にも見えます。
これは干渉色と呼ばれるものとなっています。
この干渉色の羽根は、光の波がお互いに干渉することで、弱くなったり強くなったりします。
だからこそ、光の加減によって羽根の色が千変万化するように見えるわけですね!
クジャクは飛べる
そんなクジャクは飾り羽根だけでなく、実は飛行するために必要な「風切羽」も持っています。
この画像のように美しく飛ぶ姿も確認されています。
ただし、渡り鳥などのように長距離を飛ぶことはできません。
メスの飛行距離は1度の飛翔で数百mほど飛べるとされているのですが、飾り羽のある時期のオスはそれよりも短い距離しか飛翔できません。
雛にはまだ飾り羽は無い
クジャクと言えば飾り羽を想像する人が多いですが、雛のときから生えているものではありません。
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小さくかわいい子の雛の時は、飾り羽が無いばかりか、親鳥のような極彩色の体もしていません。
クジャクとは
キジ科クジャク属に分類される鳥のクジャク。
そもそも、どういう鳥なのでしょうか。
クジャクの生息地
クジャクには、インドクジャクとマクジャクの2種類がいます。
インドクジャクは名前の通り、インドを中心としたパキスタンやバングラデシュにネパールやスリランカといった南アジアが生息地です。
マクジャクは、タイやベトナムにミャンマーといった東南アジアから中国の一部南地域やインドの北東部などに生息しています。
また、原始的な特徴を残した種とされるコンゴクジャクという種が、アフリカのコンゴ民主共和国に生息しています。
クジャクの生態
クジャクは雑食性です。
草や葉、木の実や果実の他に、昆虫や爬虫類、小動物まであらゆるものを口にします。
社会性もあり、群れで生活することが多いです。
それゆえの求愛行動とも言えますね。
クジャクの大きさや姿
飾り羽を入れたクジャクのオスの体長は180~250cm前後、メスは60~90cm前後となっています。
体重はオスが4~6kgほどなのに対し、メスが3~4kgほどです。
足には鋭い蹴爪があり、狩りや争いに用いることができます。
世界には美しい鳥が他にも!
クジャクのオスは、その飾り羽が非常に美しいです。
そして、世界には他にも美しい鳥がたくさんいます。
ここからは、世界にいる美しい鳥を何種かご紹介します。
中南米に生息する「ケツァール」
ケツァールは、メキシコ南部に生息する鳥です。
光沢のある深緑色の羽毛を持ち、お腹にかけて赤色の羽毛が広がるのが特徴となっています。
その美しさから「世界一美しい鳥」や「幻の鳥」の他「神の使い」と呼ばれることもあります。
かつて栄えたアステカ文明の中でも神聖視された鳥となっています。
アフリカのツル「ホオジロカンムリヅル」
ホオジロカンムリヅルは、アフリカ大陸でも南部になるサバンナに生息しています。
白色と赤色のコントラストが美しい羽毛を持ちます。
最大の特徴は、頭にある金色の羽毛でできた冠羽です。
三つ編み状となったその冠羽が本物の王冠のように見えることから、付けられた名前とされています。
美しくも荒々しい「ヘビクイワシ」
ヘビクイワシは、すらっと細長い美脚やまつ毛を持つ鳥です。
特に、うなじに生えた黒色の冠羽は白色の羽毛とのコントラストから気品ある美しさがあります。
その美しさとは裏腹に、ヘビを何度も乱暴に踏みつけるという激しいギャップのある狩りをします。
まとめ
クジャクは飾り羽根を持つことで知られています。
この羽は、オスがメスを求愛するために使わてています。
非常に多くな羽根のため、飛べないと思われることもあります。
しかし実際には、飾り羽のために飛翔するための「風切羽」もありますので飛ぶことはできます。
ただし、飾り羽はたたんでいても大きく、重量もあることから、あまり長距離は飛べず、飛翔自体は得意でないとされています。