冷たく拒絶することを意味する「けんもほろろ」、その由来はあの鳥から?!

2024-02-27 20:30

「けんもほろろ」とは、相手を冷淡に拒絶することを指します。
この「けんもほろろ」、ある鳥の鳴き声から来たとも、その鳥が飛び立つ音から来たともされています。

ここでは、「けんもほろろ」に含まれる意味や類義語、そして語源について解説します。

「けんもほろろ」とは

まずは「けんもほろろ」がどのような言葉なのか、その意味や由来について見ていきましょう!

「けんもほろろ」の意味

「けんもほろろ」とは、人の頼み事や相談事などを無愛想に拒絶し、冷たくあしらう様子をあらわす言葉です。
相手がまったく取り合ってくれない、そんな状況で用いられます。

また、特に愛想もなく冷淡に挨拶をすることも指します。
冷たい対応をあらわす状況ならば、多くの場合で用いて不自然とはなりません。

「けんのほろろ」の由来はキジの鳴き声

この「けんもほろろ」、その由来は日本にも古くから生息するキジの鳴き声にあるとされています。

「けん」「ほろろ」は、ともにキジの鳴き声から来ています。
このキジの鳴き声に、無慈悲な様を意味する「慳貪(けんどん)」や、とげとげしく突き放すことを意味する「剣突(けんつく)」という言葉を掛けて生まれたとされます。

キジが羽をバタつかせる音から来たとする説も

また、「けんもほろろ」はキジが習性から来たともいわれています。
キジは、自身の翼を激しくバタつかせ音を発するドラミングにも似た行動をとる習性があります。

この行為を「母衣打ち(ほろうち)」と言います。
そして、母衣打ちをする際に「ケーン」と鳴くことから「けんもほろろ」という言葉が生まれたという説もあるのです。

「けんもほろろ」の類義語

「けんもほろろ」のように、相手を冷たくあしらったりすることを意味する言葉は他にもあります。

取り付く島もない

「取り付く島もない」とは、相手にせず話を取り合おうとしないことです。

無視やシカトをされている状況ともいえ、頼み事や相談事をしても相手の態度が対応してくれない状況をあらわしています。
このような事態となったきっかけが掴めないでいる状況を指して用いられることもあります。
どうにもできない状況ともいえますね。

にべもない

「にべもない」とは、愛想がないことを意味します。
漢字では「鰾膠もない」と表記し、そっけないことを指しもします。

「鰾膠」とは、ニベ科の魚の浮袋を原料にして作られる接着剤のことです。
本来粘り気のある接着剤に「粘り気がない」状態ということで、サラサラした状態、つまりそっけない様子の例えとして使われるようになりました。

歯牙にもかけない

「歯牙にもかけない」とは、問題にしないことを意味します。
特に相手にしないという意味で使われますが、これは口先で論じるまでもないことなどから来ています。

また、肉食動物が牙にかけることさえしない、つまり口にする価値もない存在を例えた言葉として生まれたともされています。

「塩対応」も「けんもほろろ」の類義語

近年のアイドルブームにより生まれた「塩対応」という言葉も「けんもほろろ」と似た状況を指します。

「塩対応」の意味

「塩対応」とは、そっけなく愛想もない冷淡な接し方を指す言葉です。

ここでの「塩」とは、味の塩辛さのことではありません。
表情などに不快さが漏れ出てしまっている様子や、歓迎されていない雰囲気などをあらわしています。

「塩対応」が使われるのは

「塩対応」が特に使われるのは、アイドルやタレントとファンとの交流の場などですね。
冷たい対応をするアイドルを指しあらわすために生まれた言葉となっています。

「2014ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた、新しい言葉のひとつです。

「塩対応」の対義語は「砂糖対応」ではない

「塩対応」という言葉から、対義語は「しょっぱい」の反対で「甘い」を意味する「砂糖対応」という言葉だと考えても不思議ではありません。
ところが実際のところは、「塩対応」のついとなる言葉は「神対応」となります。

この「神対応」とは、神様のように優しい、神様のように慈悲深い対応という意味で使われるようになったとされています。
そんな「神対応」と呼ばれるのは、アイドルでいえばファンに対して楽しそうに向き合ってくれたり、細かいことも覚えていてくれるといったファンサービスの事です。
歓迎ムードを出してくれるという点から、そっけない「塩対応」とは正に真逆な行為と言えますね!

この「神対応」という言葉が使われるのは、アイドルをはじめとした芸能界だけではありません。
細かいところまで行き届いた対応や、優れたクレーム処理、非常に熱心で親切な行為という意味でも用いられるようになりました。

まとめ

「けんもほろろ」は、キジの鳴き声や翼を使った一種のドラミングなどが語源となったとされています。
似たような言葉として、「取り付く島もない」や「にべもない」「歯牙にもかけない」といった言葉の他に、「塩対応」という新しい言葉があります。

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