幸運をもたらすと言われる『多指症の猫』とは?興味深い5つの豆知識やエピソードもご紹介
幸運をもたらす猫として知られている多指症の猫。多指症の猫は、古くから船乗りたちの間で縁起が良いとされてきました。今回は、多指症の猫にまつわる5つの豆知識とエピソードを紹介します。
猫の多指症とは?

多指症とは、指の本数が通常よりも多い状態を指します。猫の場合、一般的な指の本数は前足が5本、後ろ足が4本の合計18本です。多指症では前足の指が1本多いケースが多くみられる一方で、ギネス記録を持つ猫では、4本すべての足に7本ずつ、合計28本の指を持っていました。
多指症の猫は、作家アーネスト・ヘミングウェイが愛し、多く飼っていたことから「ヘミングウェイキャット」と呼ばれるようになりました。また、指の形がミトンに似ているため「ミトンキャット」とも呼ばれています。
多指症の猫はアメリカでは古くから知られており、現在でも愛好家がいるほど親しまれています。なかでもボストンは、多指症の猫が多い地域として知られています。
多指症の猫にまつわる5つの豆知識とエピソード

多指症の猫は、その珍しい特徴から、様々な歴史的背景や興味深いエピソードに彩られています。ここでは、多指症の猫に関する5つの豆知識をご紹介します。
1.ピクシーボブは多指症が多い
日本では珍しい猫種として、ピクシーボブがあります。ピクシーボブはアメリカ原産のボブテイルを持つ猫で、ヤマネコのようなワイルドな外見が特徴です。この猫種は、多指症の発生率が高いことでも知られており、個体のおよそ50%が多指症だとされています。
一般的な猫では、多指症は遺伝的な特徴として扱われますが、ピクシーボブでは個性の一部として受け入れられてきました。そのため、多指症を前提とした繁殖が行われてきた背景があります。
こうした経緯から、血統登録団体のなかには、ピクシーボブの多指症を品種標準として認めているところもあります。前足の指が7本までであれば、公認とされる場合もあります。
なお、メインクーンも多指症が見られやすい猫種として知られており、ある調査では約40%が多指症だったという報告があります。
2.多指症の猫は幸運をもたらす
多指症の猫は、古くから幸運や富をもたらす縁起の良い存在とされ、特に船乗りたちの間で大切にされてきました。船に乗せることで、航海の安全や豊漁をもたらすと信じられていたのです。
指の数が多いため、揺れる船内でも体のバランスを取りやすく、ネズミを捕まえる能力が高く、食料を守る存在としても重宝されていました。
こうした実用的な理由に加え、見た目の珍しさ自体が幸運の象徴とされ、多指症の猫は船乗りたちにとって心の支えとなる存在だったとも考えられています。
3.文豪ヘミングウェイに愛された
多指症の猫を語るうえで欠かせないのが、アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイの存在です。
ヘミングウェイはキーウェストの自宅で50匹以上の猫と暮らしており、その最初の1匹が多指症の猫「スノーホワイト」でした。スノーホワイトは、多指症が多いとされるメインクーンだったという説もあり、飼っていた猫の約半数が多指症だったとも言われています。
スノーホワイトが子孫を残したことで、ヘミングウェイの家には多指症の猫が代々受け継がれてきました。現在もその子孫は「ヘミングウェイ・キャット」として、ヘミングウェイ・ハウスで大切に飼育されています。
ヘミングウェイは、多指症の猫の個性的な外見を愛し、著作の中にも猫にまつわる記述を残しています。
4.多指症の原因は近親交配や両親からの遺伝
多指症の主な原因は、優性遺伝による遺伝子変異です。親や祖父母のいずれかが多指症の遺伝子を持っている場合、その形質が子に受け継がれることがあります。多指症は優性遺伝のため、片方の親が持っているだけでも発現しやすいのが特徴です。
また、特定の血統内で繁殖が繰り返されると、多指症の遺伝子が受け継がれやすくなり、その結果として多指症の猫が多く生まれる場合があります。これは近親交配そのものが原因というより、特定の形質が固定されやすくなるためと考えられています。
5.多指症の猫はとっても器用
多指症の猫は、指の数が多いことで前足の握力が普通の猫より強くなります。そのため、おもちゃや小さな物を押さえたり、つかんだりする動作が安定しており、前足を使った遊びや日常の行動が器用に見えます。
例えば、おもちゃを前足でしっかり押さえたり、前足で物を引き寄せたりするのが得意です。また、水を飲むときに前足ですくうような動作や、ドアや引き出しに前足をかけて操作する行動も見られます。
この前足の器用さこそ、多指症の猫の特徴でもあります。
まとめ

かつては作家ヘミングウェイを魅了し、幸運の象徴として船乗りたちにも大切にされてきた多指症の猫。大きな前足が特徴で、その独特な姿は現在も多くの人に親しまれています。
多指症は遺伝によるものとされていますが、健康面での懸念はほとんどありません。暮らしぶりも一般的な猫と変わらず、違いがあるとすれば、前足を使った動きがやや器用な点です。
長い歴史の中で人の心を惹きつけてきた多指症の猫は、今後も変わらず、個性ある存在として静かに愛され続けていくことでしょう。
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