日経平均株価 34年ぶり最高値更新でどうなる!?【Bizスクエア】

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2024-02-28 06:30
日経平均株価 34年ぶり最高値更新でどうなる!?【Bizスクエア】

一昨日、日経平均株価は前日に比べ800円以上値上がりし、3万9098円の史上最高値で取引を終えた。バブル期を超え、34年ぶりとなる歴史的な1日だった。

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日経平均株価 最高値更新 34年ぶり バブル期超え

歴史的な瞬間は、22日午前10時16分に訪れた。史上最高値を更新したディーリングルームでは拍手が起こった。34年ぶりに終値の史上最高値3万8915円を突破した。

34年前を知る岩井コスモ証券社員は「30年間の思いが今完全に解き放たれる感じですね」と語る。

歴史を塗り替えるきっかけは、アメリカの半導体メーカー「エヌビディア」の好決算。
生成AI向け半導体の需要が拡大し、売上高は前年比の3.7倍純利益は8.7倍で、ともに市場予想を大きく上回る過去最高を記録。半導体の製造に欠かせない技術を持つ日本の関連企業を中心に自動車をなど幅広く上昇し、株価を押し上げた。

午後の取引開始直後、取引時間中の最高値3万8957円をあっさり突破。さらにその後も株価は上昇し、午後3時。前日に比べ836円高い3万9098円で取引を終え、34年ぶりに終値でも最高値を更新した。

野村証券 奥田健太郎社長:
今朝は期待して出社をした。通過点だと思うが、すごく大きな節目だと思います。

大和証券 中田誠司社長:
バブルのときと全く違う、いわゆる過熱感がない中で、冷静な判断のもとにつけた株価だと思う。もうそろそろ「失われた30年」とか「3万8915円」というのは、今後は言わない方がいいのではないかなと。

日経平均株価 最高値更新 熱狂!個人投資家は!?

日本人個人投資家の目には、これからの日本株の風景はどのように映っているのか?

この日、投資家が集うバーにいる人々に話を聞いた。投資歴30年という50代投資家は「客観的に見ると大した高値じゃない」。投資歴20年の40代投資家は「コロナのときに株価全体的に下がりすぎたから、どちらかというと言うと正常な値に近づいている」。ほかにも「中国のあふれたマネーが、アメリカに向かわず日本に来た感じがある」「根底にあるのは(企業の)業績。色んなセクターが世界水準で勝っていく。世界で勝つ企業が増えれば業績も上がり、日経平均も上がっていくシナリオになる」「皆さんの貯金が、投資することによって増えていけばいいな」などの声が聞かれた。

さらに投資歴24年の50代投資家は「ここから4万5万というところに調整しながらも突き進んで欲しい」とさらなる期待を語る。

日経平均株価 最高値更新 半導体・AIがけん引

――高値更新は予想通り。きっかけはアメリカ企業「エヌビディア」の決算でした。

りそなアセットマネジメント チーフストラテジスト 黒瀬浩一氏:
言葉としてはまだ定着していないが「生成AI革命」「半導体祭り」の様相を呈している。
生成AIで使われる高性能な半導体は、エヌビディアの独占に近い供給体制になっている。

りそなアセットマネジメント チーフストラテジスト 黒瀬浩一氏:
この会社が利益も売り上げも、予想を大きく上回る決算を出したことで、しかも先行きの明るい展望も示したことで、相場は一気に強気に傾いた。

――日本も世界から注目されてゴールドマンサックスが「7人の侍」という7銘柄(SCREENホールディングス、アドバンテスト、ディスコ、東京エレクトロン、トヨタ自動車、SUBARU、三菱商事)を選定した。

りそなアセットマネジメント チーフストラテジスト 黒瀬浩一氏:
アメリカ人には、非常にわかりやすくて、日本への投資のチャンスがあるということがピンとくる選定になっている。しかもここまで日本の相場上昇を大きく牽引した銘柄群。生成AIに関連付けて、半導体から4銘柄、これ製造装置、製造に不可欠な素材の会社が多くて、これはアメリカの「偉大な7銘柄」を想起しやすい。そして自動車から2社、これから自動車はIT化が進むので、これも半導体に関連付けられます。それから商社から1社。これは「バフェット銘柄」ですが、バフェットは以前に中国に大量投資をしていた。それを引き上げて、日本という意味合いもあるし、さらに安全保障にも関わっていくので、非常にわかりやすい選定だと思います。

――高値更新で、一旦達成感が出るか、さらに更新するか?

りそなアセットマネジメント チーフストラテジスト 黒瀬浩一氏:
達成感は1回出ると思う。さすがに上げピッチが早すぎたので、むしろここで1回立ち止まって総点検することは、相場の持続性が高まるという意味ではいいことだと思う。

りそなアセットマネジメント チーフストラテジスト 黒瀬浩一氏:
ここに主要国株価指数のグラフがあるが、一部の銘柄だけが上がるというのはあまり健全ではない。従って生成AIを使って本当にいい高収益を出す企業が増えるかどうか、これがポイントになると思います。

日経平均株価 最高値更新 34年ぶり バブル期超え

――34年間のグラフありますが、長かったですね。リーマンショック、ITバブルの崩壊、新型コロナなどいろんなショックも足を引っ張りましたかね。

東京大学 名誉教授 伊藤元重氏:
リーマンショックが一番典型的なケースですが、1回上がりそうになってから、それを止めるショックが起こることが続いたのが非常に大きい。

――何が変わったから、上がったのか?

東京大学 名誉教授 伊藤元重氏:
デフレからの潮目の変化が起きつつあり、かなり変わるんだろうと思いが少しずつ広がってきたんだと思う。アベノミクスのときもそういう期待があったが金融緩和だけでは、
ショック療法的なところがあった。だから世界的なインフレが起きて、日本に広がってきたということが結果的には大きかったのかなと。

――名目GDPが大変な勢いで伸びていて、2023年は5.7%の伸びということで、今までの「壁」と言われたところを突破してきた。

東京大学 名誉教授 伊藤元重氏:
株価という意味で見ると、投資家や企業がどう見て、どう行動するかという形で、デフレのときには縮こまってコスト削減だとかになるが、どうやったら賃上げに対応できるような付加価値が提供できるかとか、新しい価格を上げるときにどうやって新しい付加価値をつけるとかということを企業も真剣に考え始めてくるし、株式市場だと投資家もそういう動きを実感していると思う。

日経平均株価 最高値更新 日本株評価の理由は?

企業の売上高経常利益率は、1989年は3.7%だったが、2023年は7.1%と倍近くになっている。中でも、海外の稼ぎは3兆円から33兆円と10倍以上の伸び。一方、設備投資の額はほぼ変わっていないが、内部留保は6倍近く増え、567兆円と膨らんでいる。

――その一方で、内部留保は増えたけども、設備投資の実額ほとんど増えていない。

東京大学 名誉教授 伊藤元重氏:
この内部留保が増えている過去30年の積み上げ。その影響ににもかかわらず、設備投資は増えなかったし、賃上げも行われなかったし、配当も比較的抑えられていた。ただここに来てそれを変える動きが出てきて、この内部留保もあるから設備投資も増えるのでは、賃上げができるんじゃないだろうかという形で逆の方向への期待感も動いてることは事実。現に、設備投資は少し増え始めているというのが現状だと思う。

――人的投資や国内設備としては、まだまだこれからということか?

東京大学 名誉教授 伊藤元重氏:
国内設備に投資がいかなかったのは日本の経済の空洞化の一つの大きな原因。企業は個別には合理的に海外に出ていったが、トータルで見たときに本当にそれでよかったのかという反省は企業の側にもあると思います。国内設備投資は、単に投資するだけじゃなくて、どうやって付加価値を上げるのかとか、どうやって賃金を上げるのかとか、どうやってその価格を上げていくのかという、脱デフレの流れと非常に密接に連携している。

――賃金はどうなるか?

東京大学 名誉教授 伊藤元重氏:
流れとしては輸入インフレが国内インフレに代わっていくなかで、実質賃金は上がると期待している。価格を上げるとか、賃上げするということは、ビジネスモデルそのものを変えていくと、投資するという決意表明なので、企業がそういう動きをするようになれば、全体としての雰囲気が変わると思います。

(BS-TBS『Bizスクエア』 2月24日放送より)

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