![バレー西田有志「自分を大切に」妻・古賀紗理那の言葉で蘇った“雄叫び”【高橋尚子インタビュー】](/assets/out/images/jnn/1034667.jpg)
バレーボール男子日本代表、西田有志(24、にしだ・ゆうじ)の大きな武器は力強いスパイクである。身長は186cm。世界と比べても決して高くはないが、持ち前のジャンプ力で世界の強豪相手でも得点を量産する。去年10月のパリ・オリンピック予選では、キャプテンの石川祐希(28、いしかわ・ゆうき)に次ぐ2番目の得点を挙げ、パリへの出場権獲得に大きく貢献した。そして、西田といえば22年の大晦日に女子日本代表の古賀紗理那(27、こがさりな)と結婚を発表。夫婦で日の丸を背負うエース同士の結婚は大きな話題となった。パリ五輪で1972年ミュンヘン大会以来、52年ぶりのメダルを狙う中核となる西田にシドニー五輪マラソン金メダルの高橋尚子キャスターが意気込みに迫った。
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Q.(高橋尚子)
妻であり、日本のトップのバレー選手。古賀選手の存在っていうのは大きい?
西田有志:
バレー選手ではありますけど、奥さんなんで。結局その選手としての考えというのはもう自分たちはお互いにいろんなことを共有しながらやってるので、多分こう考えてるだろうな、ああ考えてるんだなとお互いわかってる上でもあるんですけど、そこに関してはあんまり心配してないですし、もし向こう側の大変になったときにはして心配して、相談してくれることがあるので、あまりそこは心配してないですけど、やっぱそれ以外のところで何かストレスがないのかとかそういうようなことに気にしながらやってます。キャプテンなんでストレスもありますし、やっぱ表に立っていくのはキャプテンとか監督とかそういうような人たちが先頭を切ってやっていくので、結局そういう目を向けられるのはそこ(キャプテン)になっちゃうので多くのストレスがかかってくると思うんですけど、やっぱりそういうところを助けてあげたいなというふうに思いますね。
西田の持ち味“雄叫び”へのこだわり
西田のプレースタイルとして目立つのは“雄叫び”。スパイクを決めた後、叫ぶのはもちろん、コートの外からでも“雄叫び”で鼓舞する。チームメイトからも「周りももっとやらなきゃっていう感じになります」「エネルギッシュなパフォーマンスをしてくれるので、非常に自分たちも気持ちを乗せやすい環境を作ってくれてると思います」と、ムードメーカーとしてもチームに力を与えている。
Q.
誰よりも決まった時の“雄叫び”が注目されるが
西田:
静かにやる方が逆に調子悪くなるので、そういう選手がいる、いないだけでもチームの勢いが変わってくると思うので。
苦しんだ時期を支えた妻・古賀紗理那の言葉
それでも順風満帆な競技人生ではなかった。2022年の新シーズンが開幕した時に原因不明の体調不良を発症した。
西田:
全く熱下がらなかった毎日寝ると寝汗書いたりとか悪寒が止まらない…明らかに自分の体が動かないですし、LEDライトの白いライトとか目に入るともう眩しくて何も見えない。だんだんと体が動かなくなる感じだった。(不調は)最初の体調不良から含めると1ヶ月半から2ヶ月ぐらい。
原因がわからず、不安な日々が続いたが、その期間西田選手の支えになったのは妻の古賀選手の存在でした。
妻・古賀選手に言われて楽になった言葉『自分を大切に』
Q.
古賀選手に言われて楽になった言葉があると…
西田:
『自分を大切に』というようなことはずっと言ってくれてたので、バレーボールとかっていうよりも、生きていく事が今、価値があるからって話をしてくれてて、それはやっぱり自分の中でもすごい思いましたし。そういう何て言うんですかね、死を目前にしたわけじゃないですけど、だんだんと自分の体動かなくなってくるんだろうなっていうような体調不良だったので、そういうのもありながらっていう状況ですね…生きることが大切。1人だけの体じゃないし1人の人生じゃないし1人の時は無理してましたけど、バレーが出来なくなってもおかしくないような状況ではあったので支えてくれていた部分はあった。
最愛のパートナーの支えもあり、症状は徐々に回復した
西田:
結局1人だったときと今味方が近くにいるのっていうのは、何て言うんですかね、素で話せるっていうか。より既にいつも素で話しているんですけど、それよりもより話せることが多くなったりとか。そういうのもがすごいあるかなと、思います。
復活した西田は2023年世界舞台で復活し、パリオリンピック出場に大きく貢献した。そしてパリ五輪イヤーの今年は男子日本代表は52年ぶりとなるオリンピックでのメダルの期待がかかる。
Q.
パリ五輪の目標は
西田:
僕もメダル絶対に取りたいと思っているので、簡単じゃないからやり切れるところもあると思うので日本が表彰台に立てるように努力していきたい。
西田有志(にしだ・ゆうじ)
2000年1月30日生まれ、24歳。三重県出身、186cm82kg。
海星高校~ジェイテクト~Vibo Valentia(イタリア・セリエA、2021~)~ジェイテクト(2022~)~パナソニック(2023~)。Vリーグ最優秀新人賞(2018-2019)、最高殊勲選手賞(2019-2020)、得点王(2019-2020)、サーブ賞(2019-2020)を獲得。2018年5月に日本代表デビュー、2019W杯でベストサーバー賞受賞、ベストオポジットに選出。2022世界バレー12位。世界大会で表彰台にあがるのは、1977年のワールドカップで銀メダルを獲得して以来、46年ぶりとなった2023ネーションズリーグの銅メダル獲得、パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023でも出場権獲得に貢献。日本には欠かせない左のエースである。7月26日に開幕するパリ五輪では、1972年ミュンヘン大会以来、52年ぶりのメダルを狙う。2022年12月31日に女子日本代表・主将の古賀紗理那との結婚発表。バレー界のビッグカップルとして共にパリ五輪の活躍を誓う。