■第106回全国高校野球選手権 西東京大会・決勝 日大三 9ー10× 早稲田実業(28日・神宮)
早稲田実業が日大三を破り9年ぶり30度目の夏の甲子園出場を決めた。試合は同点で迎えた9回裏、8番・ 内囿光太(3年)の一打が試合を決めた。投げては先発・中村心大(2年)が5回途中7失点も力投。リリーフ陣も繋ぎ執念のサヨナラ劇を呼んだ。
両校の夏の決勝での対戦は日大三が優勝した2011年以来、13年ぶり。この試合でも勝利した早稲田実業は日本ハム・清宮幸太郎を擁しベスト4まで進んだ2015年以来の聖地への切符となった。
先発マウンドに上がった早稲田実業のエース左腕・中村の立ち上がりは日大三の先頭・本間律輝(2年)を空振り三振に。続く2番・清水太一(3年)を右飛に打ち取ると3番・土井貴仙(3年)を見逃し三振に抑えた。
打線はその裏、日大三の谷亀和希(3年)に対し先頭の三沢由和(2年)がショートへの内野安打で出塁。すると続く2番・宇野真仁朗(3年)に右中間への適時二塁打が飛び出し先制に成功する。さらに3番・高崎亘弘(3年)は四球を選び出塁。無死一、二塁から迎えた4番・石原優成(3年)がライトへの適時二塁打を放ち2点を追加した。
初回に3点の援護をもらった中村は直後の2回表、2死から連続安打、四球を許すと9番・谷亀にライトへの適時打を浴び1点を返された。
3ー1で迎えた2回裏の攻撃、7番・国光翔(2年)がファーストの失策により出塁。8番・ 内囿が四球を選択し繋ぐと9番・灘本塁(2年)が送りバントを決め1死二、三塁に。1番・三沢の二ゴロの間に走者生還し再びリードを広げた。
しかし3回表、無死走者無しから日大三の2番・清水に中安打、4番・織田大成(3年)に死球を与えるなど1死一、二塁と走者を背負うと5番・岡本弦士(3年)にライトスタンドに飛び込む同点3ランを浴び試合は振り出しに。
中盤に入り4回裏、2死走者無しから1番・三沢が中安打、2番・宇野が四球を選ぶなど2死一、二塁に。すると3番・高崎にレフト線を破る適時二塁打が飛び出し勝ち越し。
1点リードで5回表、2死一塁から日大三の6番・西鍛治玄太(3年)、7番・飯田拓音(3年)の連続で適時二塁打を浴び勝ち越しを許すと8番・松岡翼(2年)のもレフトへの適時二塁打を放たれ7ー5とリードを許した。
5回裏、5番・中村が四球、6番・山中晴翔(2年)、7番・国光が安打で出塁すると続く代打・金城繁虎(1年)が左犠飛を放ち1点差と詰め寄った。競ったゲームは後半戦にもつれ込む展開に。
6回裏、日大三の2番手・伊藤遥亮(3年)に対し2番・宇野が四球で出塁。3番・高崎が左安打を放ち出塁すると無死一、三塁に。一塁走者の高崎が盗塁を決め走者二、三塁とチャンスを広げると4番・石原の一ゴロの間に同点。さらに5番・中村の二ゴロの間に走者が生還し、勝ち越した。
再びリードを奪った7回表、1番・本間の適時打で同点。さらには2死満塁から押し出し四球を与え9ー8とリードを許した。
しかし8回裏、2番・宇野の四球を与え1死二塁としたところで3番・高崎にレフトへの適時打が飛び出し再び同点に追いついた。
そして迎えた9回裏、5番・川上真(2年)が右二塁打を放ち出塁すると6番・山中の送りバント、7番・国光が敬遠を受けるなどして無死満塁に。迎えた8番・内囿がレフト線を破る適時打を放ちサヨナラ勝利となった。敗れた日大三は3年連続の決勝進出もあと1歩届かず。
試合後、和泉実監督は「甲子園は生徒を成長させてくれる」と選手に期待を込めた。
先制打を放った宇野は「勝ち切れて嬉しい」と話し、「一人一人が戦力で一人一人が自分の役割を全うした結果」とチームメイトを称えた。
≪早稲田実業 甲子園の道≫
3回戦 6ー4 明大八王子
4回戦 8ー1 上水 7回コールド
5回戦 6ー1 日本学園
準々決勝 14ー13 国学院久我山
準決勝 14ー3 日大二 5回コールド
決勝 10ー9 日大三
※写真は早稲田実業・中村心大投手