急速に症状が進み、致死率が高いことで知られる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者数が今年に入っても増加し続けていて、過去最多を更新した去年を上回るペースとなっています。
「劇症型溶連菌」は主に「A群溶血性レンサ球菌」と呼ばれる細菌に感染し、初期は発熱などの症状ですが、多臓器不全を起こすなど急速に症状が進んで死亡することもあり、致死率は3割から7割ともいわれています。
国立感染症研究所によりますと、去年1年間に全国で報告された患者数は速報値で941人で、調査を開始した1999年以降、過去最多となりました。
今年に入ってからも患者数の増加は続いていて、先月25日までのおよそ2か月間の患者数は速報値で378人とすでに去年1年間の4割を超えていて、去年を上回るペースで広がっています。
劇症化するメカニズムは明らかになっていないということです。
厚生労働省は今年1月に患者から採取した菌の解析を進めるよう自治体に通知を出して監視を強化していて、「引き続き注意を呼びかけたい」としています。