満額回答が相次いだ今年の春闘。連合は1次集計を公表し、賃上げ率は去年を大きく上回り、平均で5.28%となったと発表しました。最終集計で5%台になれば、33年ぶりの高水準です。
【動画】【賃上げ】33年ぶり高水準 日銀「マイナス金利解除」の公算大 中小企業は続けるか?課題は「価格転嫁」
「餃子の王将」を展開する王将フードサービス。今年の春闘で月額3万9162円という大幅な賃上げを決めました。組合の要求を2万円近く上回る大盤振る舞い。賃上げ率はなんと11.5%です。
外食や小売りにも広がる大幅な賃上げ。連合はさきほど…
連合 芳野友子 会長
「1991年以来33年ぶりの5%台であり、日本のステージ転換にふさわしいスタートが切れたという判断」
春闘の1次集計を発表。賃上げ率は5.28%、去年の3.8%を大幅に上回りました。
20年以上2%台に低迷していた日本の賃上げ率。最終集計で5%台になれば、1991年以来33年ぶりの高水準です。これは金融政策にとっても歴史的な転換点となります。
日銀 黒田東彦 前総裁(2016年)
「量・質・金利といった三つの次元で金融緩和を進める」
2016年に日銀の黒田総裁が導入したマイナス金利。民間の銀行がお金を貯めこまず融資を増やすなどして、世の中の金回りをよくしようとする奇策中の奇策でした。
ただ、円安などの副作用も出ており、去年、就任した植田総裁はマイナス金利の解除のタイミングを探ってきました。
日銀 植田和男 総裁
「春季労使交渉の動向は大きなポイント」
きょうの大幅な賃上げ率を受け、来週の会合でマイナス金利の解除に踏み切る公算が大きくなりました。実現すれば17年ぶりの利上げです。ただ、マイナス金利解除で住宅ローンの変動金利がわずかに上がる可能性もあります。
金利のない世界から金利のある世界へ。大幅な賃上げが日本経済の歴史的な転換点となりそうです。