発情期を迎えた猫はオス、メスそれぞれに特有の行動をします。飼い主に甘えるなどほほ笑ましいものもあれば、問題行動と言わざるをえないものも。今回は発情期の猫の特徴をオス、メスにわけて対処法も含めて紹介します。
発情期のオス猫の特徴
性的に成熟したオスの猫は、発情期を迎えたメスに出会うことで発情します。オスに特有の行動としては、スプレー行動の増加のほか、外に出たがる、ほかの猫に対して攻撃的になるなどです。
1.スプレー行動
マーキングの一種であるスプレー行動は、縄張りを示すための行動で発情中のメスに交尾可能なオスの存在を伝える役割も持ちます。通常よりも濃いおしっこを吹きかけるので、家具などにニオイや汚れが染みついてしまう可能性があります。
スプレー行動をする場所が決まっているのであれば、その場所にペットシーツや防水シートを貼ってカバーします。また吹きかけられた場所にニオイが残らないようにきれいに掃除することも重要です。
2.外に出たがる
オスは発情中のメスに反応して発情し、メスに出会おうとして家の外に出たがります。脱走癖のある猫の場合は普段に増して注意が必要になります。
発情中のメスの姿を見る、メスが発するフェロモンを感知するなどがきっかけになるので、窓をカーテンで覆う、目隠しシートを貼って見えなくする、などが効果的です。
とはいえ、メスの存在に関係なく発情行動に出ることもあるので、日頃から玄関ドアや窓から脱走されないように、開閉の際にはとくに注意しましょう。窓にロック付きの頑丈な網戸を設置するのもおすすめです。
3.攻撃的になる
多頭飼いなど、ほかのオスが近くにいる環境では、ケンカがおきがちです。基本的に強いオスのほうがメスを獲得しやすいこともあって、どのオスも普段以上に攻撃的になります。
発情中のメスをめぐってのケンカは激しくなりやすく、その分怪我をしやすくなるため注意が必要です。別々の部屋、1階と2階というふうに生活空間を分けてほかの猫との接触を避けるなど、ケンカがおきにくいように配慮しましょう。
発情期のメス猫の特徴
メスの猫の発情期は、特有の行動が見られる発情前期と発情期、性的な行動が見られなくなる発情後期にわけられます。食欲不振や独特な求愛行動のほか、大きな声で鳴くなど、飼い主さんの負担になる場合もあります。
1.食欲が落ちる
発情周期のはじめの発情前期には、飼い主さんに甘えたり、活発に行動するようになったりするほか、おしっこの回数が増えたりします。
発情前期は短ければ1日足らずですが、長いと5日ほどつづき、まだオスを受け入れないため、発情期の訪れに気づきにくいかもしれません。
ただ急に食欲が落ちたりもするので、心配になる飼い主さんも多いようです。体調不良などを疑う前に、ほかの兆候があらわれていないかどうか確認してみてください。
2.大きな声で鳴く
オスを受け入れる準備が整うと発情期となります。前期と同じ行動のほか、オスを呼び寄せるための行動が見られます。
厄介なのは大きな声で鳴くことです。発情中のメスがいることをアピールするための行動なので、普段とは違った発情期に特有の鳴き方をします。
大きな声で長時間鳴くため、飼い主さんの睡眠不足の原因になったり、近所迷惑になったりします。遮音カーテンを使って音漏れを抑える、昼間にたっぷり遊んで疲れさせて夜寝るように仕向けるなどの対策が必要です。
3.尻を上げるディスプレイをする
発情期を迎えたメスの尻尾の付け根を撫でると、「ロードーシス」と呼ばれるディスプレイ(求愛行動)が見られるかもしれません。
ロードーシスはオスに対して受け入れる意志を示す行動で、伏せた状態でお尻を持ち上げるポーズをとります。そのかっこうで足踏みをしたりもします。また、床を何度もゴロゴロと転げ回る様子が見られることもあります。
発情期は通常7〜10日ほどつづき、オスとの出会いを求めて家の外に出たがるため、玄関ドアや窓の開閉の際には脱走されないよう注意しましょう。
望まない妊娠やトラブル回避には避妊・去勢手術を
繁殖させるつもりがないのであれば、愛猫に避妊・去勢手術を受けさせるのがおすすめです。望まない妊娠を繰り返せば、不幸な猫が増え続ける事態になりかねません。
避妊・去勢手術をせずに妊娠も避けたいとなると、何度も繰り返される発情期のあいだ猫の行動を制限しつづける必要が生じます。また生殖本能をかなえられないことも大きなストレスになるでしょう。
避妊・去勢手術には生殖本能に起因するストレスを取りのぞけるほか、生殖器系の病気が防げる、ニオイや鳴き声といった近隣トラブルの種も減らせるなどのメリットもあります。
まとめ
暖かくなると訪れる発情期。猫にとっては本能の発露であり、しつけでどうにかなるものではありません。
飼い主にとってはストレスや近隣トラブルの種にもなるので、大きな問題に発展しないうちに適切に対処しましょう。もし自分では上手く対処できない場合には獣医師に相談することをおすすめします。
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