台湾東部沖でけさ発生した大地震。震源に近い東部では、地元気象当局によると、震度6強の揺れを観測し、死者はこれまでに9人にのぼっています。
震源に近い台湾東部・花蓮県の中心都市花蓮市にあるマンションの12階。地震発生時の様子を捉えた映像です。地響きのような音とともに揺れが始まると、住人は避難し、ネコも飛び出しました。そして揺れは激しくなり、扇風機や椅子も倒れてしまいます。
台湾の気象当局によりますと、花蓮県では震度6強の揺れを観測。山間部で土砂崩れなどの被害も出ています。
台湾当局によりますと、この地震ではこれまでに花蓮県で9人の死亡が確認されていて、けが人は台湾全体で800人以上にのぼっています。また、トンネルなどに70人以上が取り残されているということです。
市街地では建物が崩れる被害も。この建物は、飲食店が入っていた1階部分が完全に崩れ、バイクなどが下敷きになっています。
こちらには1階部分がつぶれ、大きく傾いた建物が。救助隊がはしごを使って中にいる人を救出したほか、傾いた建物の中に入って、取り残された人を捜索しました。
建物から救出された女性は…
救出された女性
「どうしようもなかった。物が全部落ちて、建物も倒れて」
花蓮県にある有名観光地・太魯閣では、登山道に被害が。数人の登山客がけがをしたということです。台湾の中央通信社は、太魯閣に1000人近くが取り残されている可能性があると報じています。
また、別の台湾メディアは太魯閣のホテルに向かっていた小型バス4台と連絡が取れなくなったと伝えました。バスには客とホテルの従業員あわせて50人が乗っていて、現在、捜索活動が行われているということです。
台湾では、ほかにも観光地で被害が出ていて、北東部・宜蘭県では亀に似た形をしていることで有名な島「亀山島」の亀の頭にあたる部分が一部崩れてしまいました。
今回の地震を受け、台湾の蔡英文総統は…
台湾 蔡英文 総統
「軍も支援を行う。中央と地方自治体がこの災害の影響を最小限に抑えるため協力する」
5月に次の総統に就任する頼清徳副総統は花蓮県を訪問。現地で会見し、「いま最も重要で優先すべきなのは人々を救出することだ」と強調しています。