すき家は3日から、大手牛丼チェーンとしては初めての“深夜料金”の導入を始めました。なぜ、すき家は導入に踏み切ったのか。そして、街の人たちはどう感じているのでしょうか?
【写真を見る】すき家が「深夜料金」開始 午後10時から5時まで7%加算 客の反応は? 続く値上げラッシュ…「オリーブオイル」は5月からさらに高騰 パスタ値上げ決断の店も【news23】
牛丼並盛460円 すき家が「深夜料金」開始 午後10時~5時まで7%加算
3日夜10時すぎ…
喜入友浩キャスター
「すき家で牛丼の並盛を食べてきました。レシートを見てみますと、牛丼430円に、深夜料金の7%分の30円が上乗せされて460円となっています」
牛丼チェーン初の試みとなる深夜料金の導入。「すき家」は3日から全ての店舗で、午後10時から午前5時の間の料金を7%上乗せします。
来店客
「深夜料金?知らなかったです。(深夜料金)もっと広がっていくんじゃないですか」
喜入友浩キャスター
「きょうから深夜料金で7%上乗せで、(牛丼並盛)460円」
50代 会社員
「深夜料金で22時から7%…高くない?」
喜入友浩キャスター
「労働者に還元をという」
50代 会社員
「でも、それでもちょっと430円+7%だったらコンビニ行っちゃうなあ」
社会人1年目
「“飲んだ後”っていう選択肢はなくなっちゃうかも」
社会人1年目
「賃上げの流れもあるので仕方ないのかなと」
深夜料金導入の背景には、人手不足と人件費の上昇があります。
全国の最低賃金は2023年度、初めて1000円の大台を超え、深夜は賃金を1時間あたり25%上乗せすることが法律で決まっています。
すき家は深夜料金の導入で24時間営業を維持したいとしています。
さらにすき家では3日から、全体の約3割の商品で10円から50円値上げされ、消費者にとってダブルパンチとなっています。
5000円→7440円に オリーブオイル高騰 5月から最大60%超の値上げも…
値上げの波は、あの調味料にも。
都内のイタリア料理店。今が旬のホタルイカにパスタとトマトソースを絡め、仕上げにオリーブオイル。シェフのおすすめパスタの完成です。
ほかの料理にもオリーブオイルを使用しています。
この店では、1か月で5リットルものオリーブオイルを使っていますが…
PONTE 吉野晃オーナーシェフ
「オリーブオイルの値段が載っているが、1か月でほぼ1.5倍になった」
2024年1月、5リットルを5000円で仕入れたものが、2月になると7440円に値上がりしていました。
メニュー料金に転嫁させないよう、ハーブを自家栽培するなど努力を重ねていますが、それも限界に。2月から、ほぼ全てのメニューで30円から50円値上げしました。
しかし、値上げの終わりはまだ見えないといいます。
PONTE 吉野晃オーナーシェフ
「原価が上がったら、もう少し値段を上げざるを得ない。申し訳ない気持ちがあります」
オリーブオイル高騰の背景には、主要産地であるヨーロッパを襲う記録的な干ばつと中東情勢の悪化による輸送費の高騰、そこに止まらない円安が追い打ちをかけているのです。
都内のスーパーでも…
株式会社さんよう 阿部芳邦取締役
「大体3割~4割ぐらいの値上げ率。ほかの商品に比べて少し高いという感じ」
家庭用オリーブオイルも値上げ。買い物客は…
買い物客
「1000円超えてるんですね」
さらに食品メーカー各社は、5月から最大60%を超える値上げを行うと発表しています。
買い物客
「高級品。でもほかに代えられない」
買い物客
「最近(物価が)非常に上がりすぎている、全般的に。年金もそんなに上がらない。物価に追いつかない」
深夜料金は他の飲食チェーン店にどう広がっていく?
藤森祥平キャスター:
すき家の牛丼・並盛は通常430円ですが、今後、午後10時~朝5時までは深夜料金で460円、30円の値上がりとなりました。
労働基準法では午後10時~午前5時までの間に労働させる場合、深夜割増として通常の賃金に25%以上の割増賃金を支払わなければいけないということになっています。
すでに一部のファミリーレストランなどでは、10%の深夜料金を設定しているところもあります。
今回、大手牛丼チェーンではすき家が初めて導入しましたが、ライバル店の吉野家は「今後についてはわからない」、松屋は「現状、予定していないが、検討しないとも言い切れない」としています。
一方、そばチェーン店の「名代 富士そば」は、「(深夜料金)導入の計画は全くない」ということです。
「深夜帯の給料割増は昔からある」ということが理由で、押しボタン式の券売機が多く、商品の料金を変えるとなると割増料金の会計に課題もあるということでした。
人材確保や賃上げをしていかないといけないという流れもある中、深夜料金はどう広がっていくのでしょうか。
news23ジャーナリストの経済担当・片山薫記者は「一律料金で無理が生じている。時間帯、場所などで同じ商品であっても価格変動制を検討する企業も増えるだろう」と話していました。
小川彩佳キャスター:
カフェのチェーン店やファミリーレストランなどでも価格変動制を導入する動きが広がるかもしれませんね。
トラウデン直美さん:
夜に(お店が)営業しているのはとてもありがたいことで、深夜料金は受け入れていくしかないのかなと思います。
工事現場や整備現場など深夜に働くエッセンシャルワーカーの方々が食事をする深夜に値上げというのは心苦しいと思いますが、だからこそ、エッセンシャルワーカーの方々の賃金も上げて、夜に飲食店で働いている方々の賃金も上げる好循環ができてくればいいなと思います。
『「すき家」が深夜料金導入』などについて「みんなの声」は
NEWS DIGアプリでは『「すき家」が深夜料金導入』などについて「みんなの声」を募集しました。
Q. 深夜料金導入 他の外食産業に波及すると思う?
「波及する」…43.5%
「ある程度は波及する」…47.5%
「あまり波及しない」…4.8%
「波及しない」…1.5%
「わからない」…2.7%
※4月3日午後11時23分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません