![業界1位の“おいしい技術”…Z世代が成功させた「もち麦の黒い線を消す」ミッション【THE TIME,】](/assets/out/images/jnn/1330053.jpg)
今回は、私たちが普段口にしている「マヨネーズ」と「もち麦」の工場に潜入!
そこにあったのは、超高速の“卵割り”や、わずか5ミリの粒を“精密カット”する
驚きの技術。さらにZ世代の活躍で、これまでにない“白さ”も誕生していました。
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キユーピー工場の“スゴ技マシン”初公開
これまで200以上の食品工場を取材してきた『月刊食品工場長』の木下猛統さん。
統括デスクながら“お茶目キャラ”の木下さんが今猛烈に注目しているのが、
「キユーピー」の神戸工場だといいます。
『月刊食品工場長』木下統括デスク:
「充填機がすごいんです!従来の充填機は1分間に200本だったんですね。
それが400本!倍のスピードで充填できるようになったんです!」
2018年に取材に行ったときは、一定の所からは中に入れてもらえなかったそうですが、「今回なんと、木下の頼みだったら中に入れてもいいよという画期的なお話を頂きました」とドヤ顔の木下さん。THE TIME,も特別に同行させてもらいました。
案内してくれたのは、キユーピー神戸工場の戸田慎工場長。
出された名刺がまたカワイイ!
裏面には、マヨネーズのパッケージにもある“赤い網目模様”が。
すでに名刺交換だけで「ものすごく興奮している」と話すハイテンションの木下さんに、戸田工場長もやや引き気味に…。
THE TIME,マーケティング部の原千晶部員が「木下さんの圧、強すぎません?」と
声をかけると、一言、「ちょっと怖いですね…」
ボトルの“上下逆さ”にもワケがある
そんな、圧のスゴい木下さんに負けないくらいスゴい工場内へ イザ!
マヨネーズが驚きのスピードで作られているとのことですが、まず案内されたのは、ボトル製造の現場。
空のボトルが大量に流れてくるベルトコンベアの上には、UFOキャッチャーのような腕ロボットが何本も超高速で動いています。このロボットが流れてくるボトルを1本1本つまみ、方向をあわせてレーンの上に並べていきます。
別のマシンに運ばれたボトルは、上下逆さに立てられ、ここで絞り口をカット。
あえて上下逆さにするのにはワケがあるんです。
キユーピー神戸工場 坂東香奈さん:
「逆さにすることで切った時の切りくずが容器の中に戻らないようにするため」
1分間に600個の卵を割って分別
続いて向かったのは、マヨネーズの製造現場。
そこで、異彩を放っていたのが独自開発した“高速卵割り”マシン!
【流れてくる卵をハンマー状の部品がたたいて割る】⇒⇒
【殻はマシンがつかんだまま】⇒⇒【黄身と白身が落下】⇒⇒
【受け皿の切れ込みから白身だけが流れ落ちる】
という流れで、黄身・白身・殻を自動仕分け。
なんと1分間に600個の卵を処理できちゃう優れモノなんです。
ちなみにマヨネーズに使わない卵白や殻は回収され、お菓子やチョーク、化粧品の材料になるとのことです。
そして巨大ミキサーで卵黄・植物油・お酢・調味料をまぜたら、トロトロのマヨネーズが完成です。
“シークレットゾーン”に初潜入
そしていよいよ木下さんが一番見たかった、ボトルへの充填現場へ!
実はここ、「絶対に見せてこなかった」というシークレットゾーン。
それが今回、「出血大サービスでお見せします」と戸田工場長からOKが出たのです。
「もうちょっと近づいてもいいですか」と木下さんが凝視する先にあったのは、巨大な円柱状のマシン。側面には、いくつものノズルが下がり、回転しながらマヨネーズを超高速でボトルに詰めています。
待ち焦がれた充填マシンと対面した木下さん、「やっぱりすごい。ああ、いいなぁ」とうっとり。
1分間に400本も充填できるとのことですが、その最大の理由は、ボトルの「運び方」を改良したことだといいます。
従来、ボトルは、1本ずつ、穴のあいた四角い容器に立てて運んでいました。
しかしこれだと不安定で高速搬送には不向き。
ということで、マシンがボトルネックをつかんで搬送することに!
最初につかんだら、一度も離さずに工場内を巡り、
【絞り口カット】⇒【充填】⇒【キャップ閉め】と、
全ての行程をハイスピードでこなしていくので、生産量が2倍に向上したといいます。
出来立てのマヨネーズの味を試食してみると…
THE TIME,原部員:
「ちょっとツーンとくる酸味がある。全然違う」
そう、出来立ては、ちょっと酸味が強く、とがった味。これが1か月ぐらい経つと、全体的に馴染んでバランスの良いいつもの味になるといいます。
もち麦の「黒い線」を消す“感動の技術”
そして木下さんが「20年以上編集部にいる中で一番感動した工場」と話すのが、大麦シェアNo.1「はくばく」の、もち麦工場。
スーパーでもよく見かけるようになったもち麦は、大麦の一種で
▼食物繊維が白米の7.3倍、玄米の3.5倍と豊富
▼低カロリー
▼含まれる食物繊維が腸内の「痩せ菌」を増やす
とのことから人気が急上昇。
生産量も【2016年:270トン】⇒【2023年:1万620トン】と、
7年で約40倍に伸びています。(※農林水産省データより)
そんなもち麦の“味も色も大きく進化させた”という「はくばく」。
“感動の技術”がバージョンアップしたとのことで、山梨本社工場へ!
まずは、もち麦を真っ白に加工する工程から。
原材料の段階では、玄米のような茶色。
中で砥石が回転しているマシンに入れ、外側の皮やヌカを、削っていきます。
麦は米よりも皮が厚くてカタいため、時間をかけ、0.01ミリ単位で何度も削ると
表面は真っ白に!
しかし、粒の真ん中を走る黒い線…。これを除去するのが大変なんです。
それを可能にしたのが、試行錯誤の末に生み出された独自の切断機!
特別に中を見せてもらうと、細い溝がたくさんついたローラーが。
その溝1本1本に、大きさが5ミリもない麦粒が1粒ずつはまり、
ちょうど黒い線のある真ん中でカットされるという“超精密”マシン。
半分にすることで黒い部分も磨くことができ、真っ白なもち麦を作ることができるのです。
『月刊食品工場長』木下統括デスク:
「この細かさがすごいなぁと思って感動しちゃう」
本来もち麦は、熱に弱く加工が困難だったのですが、2023年に初めてこの技術をもち麦に応用し成功したのが、当時入社2年目の本多智栄子さん。
「はくばく」開発部 本多さん:
「実は最初は麦があまり得意ではなかった。
地元が新潟なのでお米ばかり食べていたけど、加工技術も、麦自体も
美味しく進化しているので、苦手なニオイなどが少しずつ改善されてきている」
麦が苦手なZ世代が開発した「真っ白のもち麦」。
白米と混ぜて炊いても引けを取らない白さで、食べた原部員も「ほぼ白米!」と感激していました。
安住アナの“圧”に後輩アナも困惑
スタジオでは安住紳一郎アナがもち麦の切断技術に驚きつつ、
「ほら、見ました?開発者の本多さん。入社2年目ですって」と、
後輩アナにじっと視線を送った。
しかし何のリアクションもないため、再度、「2年目だって」と念押し。
安住アナの“圧”に耐えられなくなった佐々木舞音アナは、まじめな表情で「4年目頑張ります」とペコリ。吉村恵里子アナも「3年目です…」と小さな声でつぶやいた。
スタジオが微妙な笑いで包まれると、安住アナは「怒られる」と言って慌ててスタジオを締めた。
(THE TIME,2024年7月10日放送より)