猫がトイレの後に砂をかけるのは、排せつ物を埋めるためです。しかし実は、トイレ以外の場所で「砂かけ」行動をすることがあります。そこで今回は、猫がトイレ以外の場所で「砂かけ」をする理由について解説します。
1.ご飯や水が気に入らないから
猫は、ご飯のお皿に向かって砂かけ行動をすることがあります。これは、ご飯に対してのネガティブな気持ちの表れです。具体的には、「このご飯はいらない」「嫌い」「もういらない」「食べる気になれない」などがあげられます。
また猫は、ご飯だけではなく、水の器に対して砂かけ行動をとることもあります。ご飯の場合と同様、「水がくさい」「毛やホコリが浮いている」など水が汚いときのサインであると考えられるでしょう。
このほかにも食器のカタチや質感、設置場所が気に入らないときも器にむかって砂かけ行動をします。
いずれにしても、食器へのこれらの行動にはマイナスの心が働いているので、食器をさげたり水を取り替えたりなどして現状を改善してみましょう。
2.「ごちそうさま」の意味
正確には猫の文化に「ごちそうさま」という意味があるのかは微妙なところです。しかし、猫はご飯を食べ終えたときの合図として砂かけ行動をすることがあります。それを人間流の解釈で、「ごちそうさま」と表現しているのでしょう。
猫は野生に生きていた頃、自分が食べた後のニオイを消すという習慣がありました。それは食べもののニオイで他の動物が寄ってくるのを避けるためであったといわれています。
だからこそご飯への砂かけ行動は食べ終わったサインでもあり、猫の本能的な部分に理由がありそうです。
3.自分の存在を隠したいから
猫の砂かけ行動は、そもそも自分のウンチやオシッコのニオイを隠すためのものです。なぜなら自分の排せつ物のニオイは、外敵に自分の場所を知らせるようなものだから。自分の存在を悟られないようにするためにも、入念に砂をかけてニオイを隠すのです。
だからこそ猫は実際に砂がない場所でも、隠したいニオイを感知したときは砂かけ行動をします。
たとえばおしりについていたうんちが床に落ちてしまったときや嘔吐した後なども、床にむかって「エアー砂かけ」をします。
4.排泄したいから
猫はトイレをする前に、砂に穴を掘ってから排泄をする習性があります。だからこそ、トイレ以外の布団やカーペットなどで、もし砂かけ行動をしていたら要注意。「排泄前の儀式」である可能性もあるので、粗相をされてしまうかも。
特に布類はオシッコがスーッと吸収されていく感覚が心地よいらしく、もし猫の砂かけ行動を発見したときはすぐに離すのがおすすめです。
さらにビーズクッションは、そのシャリシャリとした感触や水分の吸収率が、猫にとって快適な排泄条件になってしまっているようです。愛猫に粗相をされたビーズクッションを廃棄している飼い主さんは少なくないようですので、気をつけてください。
5.精神的にリフレッシュしたいから
猫は気持ちを落ち着かせるときやリフレッシュしたいとき、さらにはストレスが溜まったときにも砂かけ行動をすることがあります。
これは、「爪とぎ」行動にも共通して言えることです。猫が爪とぎをする理由のひとつとして、精神を落ち着かせるため、という理由が存在します。同じように、砂かけ行動でも気分を落ち着かせたいのです。
このように精神的な意味で砂かけ行動をすることもあるので、何かに失敗したときの転位行動、飼い主さんの気を引きたいときなど、状況に応じて猫の気持ちをくみ取ってあげましょう。
まとめ
猫がトイレ以外で砂をかける行動は、「エアー砂かけ」とも呼ばれます。
猫がエアー砂かけをするものは、トイレの壁や床、ごはんや水の器が一般的です。しかしなかには、洗濯後の衣類、人間が素足で歩いた後の足跡、靴下、キムチやコーヒーというような、ニオイの強い物にエアー砂かけをする猫も。
猫がエアー砂かけをしたときは、まず「隠したい」という心理を考えて、猫の気持ちを想像してみてください。飼い主さんならきっと、愛猫の真意がわかるはずですよ。
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