アメリカ軍と中国軍が、空域や海域の安全保障について議論する作業部会がおよそ2年4か月ぶりに開かれました。中国側は「主権と安全を脅かすいかなる行動にも断固反対する」と強調しました。
アメリカのインド太平洋軍の発表によりますと、作業部会は4日までの2日間、ハワイで開かれました。
南シナ海や東シナ海で米中の軍用機や艦艇が異常接近するケースが相次いでいることから、海や空で作戦を行う際の安全性などについて話し合ったということです。
アメリカ側は「国際法が許す場所であれば、インド太平洋のどこでも、安全かつプロフェッショナルに活動を続ける」としたうえで、中国軍との意思疎通について、「事故などを避けるために最も重要だ」と強調しました。
一方、中国国防省の発表によりますと、中国側は「航行や飛行の自由と称して中国の主権と安全を脅かすいかなる行動にも断固反対する」と応じ、アメリカ側の行動をけん制しました。
作業部会が開かれたのは2021年12月以来で、およそ2年4か月ぶりです。
おととし8月に当時のペロシ下院議長が台湾を訪問した後に途絶えていた国防対話の一つで、バイデン大統領と習近平国家主席が去年11月に会談した際、不測の事態による衝突を避けるため、軍同士の対話を再開することで合意していました。