シリーズ「現場から、」です。韓国で4年に1度行われる総選挙が、3日後に迫っています。候補者が自ら歌って踊る動画の投稿合戦にもなっていて、与野党ともに有権者の関心をひこうと躍起になっています。
4年に1度、国会議員を選ぶ、韓国の総選挙。野党が議会で多数派を占める「ねじれ」が解消されるかどうかが焦点のひとつです。
記者
「最大野党代表の李在明氏が応援演説に駆け付けました。選挙戦の終盤で何を訴えるのでしょうか」
最大野党「共に民主党」 李在明 代表
「経済・政治・外交・国防・安保を問わず、すべて失敗した。この政権に引き続き、この国を任せておけば滅びる」
最大野党「共に民主党」の代表は、「尹錫悦政権が国政運営に失敗した」と、こき下ろしました。対する与党「国民の力」のトップは…
与党「国民の力」 韓東勲 非常対策委員長
「投票所に行かなければ、犯罪者たちが大韓民国を滅ぼすことになる!」
激しい口調で与党候補への投票を呼び掛けました。こうしたなか、ネット上では…
最大野党「共に民主党」の候補
「投票する前に君は聞いた、投票するからと言って何が変わるのかと」
今年の流行曲の歌詞を変え、歌でアピールする最大野党の候補。
最大野党「共に民主党」の候補
「僕が言いたいのは、共に民主党を選べば変わる」
対する与党も…
与党「国民の力」の候補
「選挙区への私の愛は無条件だ」
こうした動画を投稿することに効果はあるのでしょうか。専門家は…
慶煕大学 政治外交学科 尹聖理 教授
「すでに支持している集団の忠誠度を高める効果はあるものの、他へ支持を広げる効果はそれほどない」
歌って踊る選挙戦となるなか、終盤の情勢を見てみると、一部選挙区で接戦になっているものの、全体では最大野党「共に民主党」が過半数の議席を獲得するという見方が強まっています。
背景の一つとして、「尹政権の終わり」を掲げた新党「祖国革新党」が急速に支持を伸ばしたことで、二大政党の対決という従来の選挙構図が変わったという指摘が出ています。
韓国世論調査会社 ホ・ジンジェ氏
「尹大統領を審判する選挙に置き換えることに祖国革新党は大きく貢献した。尹政権の審判論になるほど、与党には不利な選挙にならざるをえない」
野党が過半数を維持し、「ねじれ」を解消できなければ、尹大統領の政権運営は停滞が避けられなくなり、与党がこの土壇場で巻き返せるのか注目されます。