動物が登場する慣用句や熟語は多々ありますが、なかでも「猫」が使われている慣用句や熟語はいくつご存じでしょうか。猫の目やしっぽなどの体の部位や習性に関係する言葉もいろいろあります。そこで今回は、「猫」が使われている慣用句や熟語をいくつかご紹介します。
1.「有っても無くても猫の尻尾」
これは、「あってもなくても大差がない、気にならない」という意味のことわざです。
猫のしっぽは、とても長いしっぽや、根本のあたりまでしかない短いしっぽなど、いろいろな長さや形があります。そのため「あってもなくてもいいこと」のたとえとなっているようです。
ちなみに、猫のしっぽは感情を表現したり、寒いときは体に巻き付けたりもします。親猫は自分のしっぽで子猫を遊ばせることもあるのです。しかし、しっぽが長くても短くても日常生活に支障はないため、このことわざはある意味は正しいのかもしれません。
2.「猫は三年の恩を三日で忘れる」
猫は3年飼っても3日も経てば飼い主さんへの恩を忘れてしまうほどのつれない動物、というたとえです。
実は猫の記憶力は優れていて、飼い主さんと会わなくなっても2年程度は覚えていると言われています。離れ離れになっても飼い主さんの声を覚えていて、声を聞けば思い出すことがあるのです。
とはいえ、3年以上経つと少しずつ忘れてしまうこともあります。ただし、人間も記憶力は人それぞれであるように、猫の記憶力も猫によって異なります。
3.「猫額」
この言葉は、「土地がとても狭い」という意味の言葉です。
この言葉の由来は「猫は顔の大きさに比べて目や耳は大きいが額は狭い」「そもそも猫の額がどこだか分からない」などいくつか説があるそうです。確かに、猫のおでこと頭の境はわからないですよね。
4.「猫の目のよう」
こちらは、物事が変化しやすいことを例えた言葉です。
猫の目は明るさによって瞳孔が細くなったり、丸く大きくなったり変わりやすいです。環境が変わっていく様子を例えている言葉です。
猫は夜など暗いところでは光を多く取り込むため瞳孔が大きくなり、明るいところでは細くなります。また、興味のあるものを見つけたときも、よく見ようとして瞳孔が大きくなります。
5.「猟ある猫は爪を隠す」
能力のある者がそれを表に出さないことのたとえです。
猫は狩りをする生き物で、狩りをするときなど力を入れるときは爪を出しますが、狩りをしないときなど力を入れないときは爪を出しません。「能ある鷹は爪を隠す」と同じ意味です。
まとめ
今回は、「猫」が使われている慣用句や熟語をご紹介しました。
なんとなくその言葉は知っていても詳しい意味まで知らなかったり、(なぜ猫なんだろう?)と思ったりする言葉もありますよね。「能ある鷹は爪を隠す」のように、同じ意味でも「猫」を使った例え方もありました。
今回ご紹介した以外にも「猫」を使った慣用句や熟語は、他にも多くあるようです。調べてみてはいかがでしょうか。
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