天皇陛下が即位から5年を迎えられました。外国賓客を招いた昼食会では、両陛下発案の“令和流のおもてなし”が散りばめられています。令和流の国際親善に注目しました。
第126代天皇の即位から、きょうで5年。
2019年、皇居前広場。即位を祝う国民祭典では、皇后・雅子さまが涙を拭われる場面もありました。
「令和」が華やかに幕を開けた翌年、世界は新型コロナの蔓延により、一変します。
皇室行事は軒並み、中止や延期に。両陛下もオンラインでの公務が続きました。
コロナ禍があけた去年11月。実に4年ぶりとなる国際親善を目的とした両陛下主催の昼食会が皇居で開かれました。
“最初の賓客”=キルギスの大統領夫妻に対し、両陛下は“令和流のおもてなし”を用意されていました。
キルギス共和国 オソエフ駐日大使
「天皇皇后両陛下のおもてなしには、本当に感動しました」
キルギスのオソエフ駐日大使が感動したという両陛下の細やかな心遣い。
これは、その昼食会で配られたコースメニューです。オードブルには「ジャポネーズ」の文字。和食の前菜です。
実はそれまで、外国賓客を招いた昼食会はフランス料理のみ。しかし、両陛下の発案で、このとき初めて和食が振舞われたのです。
のちに陛下は会見で、「賓客の皆さんに日本の文化や伝統を知っていただくとともに、日本の人々に近しい気持ちを抱いていただけるような機会になればと考えました」と述べられています。
初めての和食は“一口サイズ”が可愛い「てまり寿司」風の一品。
キルギス共和国 オソエフ駐日大使
「緑色のものはきゅうりでした。味はもちろん、見た目も素晴らしかったです」
“寿司風”ですが、使われた食材は野菜や蒸したエビなど。宮内庁は「慣習上、生魚を食べない人にも配慮を」という、両陛下の強い思いが反映されたと明かします。
キルギス共和国 オソエフ駐日大使
「陛下は私たちに『日本を楽しんでください』とおっしゃいました。あの“和の一品”からは、どれほど私たちのことを考えてくださっているかが伝わってきました」
このほか、令和の昼食会では、▼配膳の回数をそれまでの6回から4回に減らし、料理をまとめて提供するようにしたほか、▼昼食後の歓談も部屋を移動せず、その場で行うよう変更するなど、賓客と過ごす時間を大切にする配慮がされているといいます。
両陛下による“令和流おもてなし”。ゲストを気遣う両陛下らしさが表れています。