声を上げる若者たち 全米の大学で広がるデモ 若者たちを駆り立てているものとは?【風をよむ】サンデーモーニング

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2024-05-05 15:23
声を上げる若者たち 全米の大学で広がるデモ 若者たちを駆り立てているものとは?【風をよむ】サンデーモーニング

いま、全米各地で、若者たちによる、イスラエルへの抗議デモが激しさを増しています。若者たちを、駆り立てているものとは?

全米40以上に広がる大学デモ

警察「ニューヨーク市警だ。大学から退去しなさい。拒否すれば逮捕の可能性もある―」

4月30日、アメリカの名門大学が大きく揺れました。ニューヨークにあるコロンビア大学のキャンパスに、次々警察官が入り…

パレスチナで軍事行動を続けるイスラエルに抗議する学生らの強制排除に踏み切ったのです。

学内でテントを張って抗議デモを続けていた学生たちに、大学側は退去しない場合、停学や退学処分にすると通告。反発した学生らの一部が抗議し、建物を占拠していました。

米・大学生
「団結は力です。みんなガザを支援するために団結してここにいるのです」

学生らは、大学がイスラエルの軍需企業などに投資しているとして、その関係の断絶も要求しています。

米・大学生 「イスラエルの大量虐殺で利益を得る企業から、寄付金を切り離すよう、大学に要求するために集まったのです」

こうした抗議デモは全米40以上の大学に拡大し、各地でデモ隊と警察が衝突。すでに2300人以上が逮捕・勾留されています。

1960年代、ベトナム反戦運動が大きな広がりを見せ、大学も舞台となりました。それからおよそ60年、再び大学を起点に広がる「反戦」の声。

なぜ今、Z世代は声を上げるのか?

今回、デモに参加した学生の多くが1990年代後半から2010年代前半に生まれた、いわゆる「Z世代」。SNSでつながり、連帯を深めました。

大学生
「大量虐殺の真っ只中にいる時に、卒業の心配をするなんておかしい。何が重要かを考えないといけない」
「ガザの人々はとてつもない決意をもって戦っている。だから我々も同じ抵抗の精神を示したい」

なぜ今回、若者たちは立ち上がったのか。アメリカのZ世代を研究する同志社大学の三牧さんは…

三牧聖子准教授(同志社大・アメリカ政治)
「彼ら、彼女たちが生きていたこの20年超、アメリカという国は、ずっと対テロ戦争で命を奪う国だった。本当は命を守るために使うべきお金が、戦争に使われて他国の人達の命を奪ってきた。こういう認識が、今の若者たちがガザを見る視線。どうして命を奪う方をここまで支援するのかという批判意識に結びついている」

実は今、こうしたZ世代の発言力は急速に増しています。

米・若者デモ
「私の体のことは、私が決める!」

アメリカ世論を二分する人工中絶問題や、地球温暖化問題、MeToo運動に、黒人差別に抗議するブラックライブズマターなど、Z世代は大きな役割を果たしてきました。

米・若者
「権力者たちは、私たちの利益を尊重していない」

さらに半年後に迫った大統領選のカギをも握るとされるZ世代。三牧さんは、この世代について…

三牧聖子准教授(同志社大・アメリカ政治)
「ブラックライブズマター、これは決して黒人の命だけが大事という運動ではなく、全ての命が尊重されなきゃいけないという訴え。Z世代が世界を見たときに、実はアメリカが人権を促進するどころか、人権侵害に加担しているということで、ダブルスタンダードがあった。これはまさに人権の普遍化に反することで、そういう声を上げているのがZ世代」

世界のZ世代に広がる共感

こうした全米の大学で広がる、イスラエルへの抗議デモに対し、ガザの子供たちの感謝の動画が、SNS上に広がっています。

ガザの女の子「ありがとうを伝えたいと思います。愛とともに受け取って下さい」

そして今、若者たちの声は広がりを見せ、ヨーロッパで… 

仏ソルボンヌ大・学生「パレスチナに自由を!」

そして日本でも…

1日、小雨の中、早稲田大学に多くの学生が集まり、ガザでの戦争は「イスラエルによる虐殺」だと訴えました。

声を上げた若者たちは―

戸田翔さん(早稲田大学4年)
「(SNSで)現地の誰かが実際に声を上げているのが、直接届いてくる。国内も国外の問題も繋がっている。だから若者は、おかしいことに、おかしいと気付けるという点はあると思います」

そして憲法記念日を迎えた3日にも…

大内由紀子さん(広島市立大2年 )
「核大国の顔色をうかがうばかりの政治は、核兵器のない未来に近づくことはないでしょう」

「(世代間で)意見が違うことが悪いことではなくて、いろいろな意見が存在してもいいと思いますし、お互いをいがみ合ったりするのではなくて、尊重し合うこと。これは必ずできることだと考えております」

今、声を上げ始めたZ世代の若者たち。その思いは、世代を超えて広がりを見せるのでしょうか―。

(「サンデーモーニング」2024年5月5日放送より)

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