中国では今、農村で行われる「村サッカー」がプロリーグを凌ぐ人気となっています。いったいどんなものなのでしょうか?
中国南部貴州省・榕江県。ミャオ族やトン族など、少数民族が多く暮らす農村のあるイベントが今、中国中で話題となっています。
「村サッカー」です。選手は全員、素人の村人たち。村の代表20チームが争います。リーグは「村超」と呼ばれ、決勝戦は国営テレビで全国放送されるほどの人気です。
人気の秘密は、選手のひたむきさ。決して上手いとは言えないものの、サッカーを心から楽しむ姿が共感を呼んでいます。
さらに、カラフルな民族衣装での応援や大勢でのダンスのパフォーマンスも人気です。賞品が豚や鶏という、農村ならではの素朴さも話題を呼んでいます。
そして、試合が終わった夜、その熱気はピークに達します。
記者
「今試合が終了したのですが、ものすごい盛り上がりです」
もはや、サッカーの試合というよりお祭りです。
地元の少数民族
「(Q.この雰囲気はどうですか)最高です。サッカーを中心として、文化、美食、踊りなどがあるから、みんなで雰囲気を楽しめるんです」
プロサッカーリーグも存在する中国で、なぜ「村サッカー」に熱狂するのか…。
観光客
「中国サッカー代表にはずっと期待していたけど、いまは失望しています」
背景にあるのは、中国男子サッカーの低迷です。FIFAランキング88位と成績が奮わないほか、プロリーグでは八百長や汚職などの不祥事が後を絶ちません。
プロには期待できない。そんなサッカーファンの期待の受け皿になったのが「村サッカー」だったのです。
観光客
「『村サッカー』には金儲けや利権のにおいがありません。貴州の『村サッカー』がさらに発展し、世界に羽ばたいてほしい」
プレーヤーと観客が一緒に盛り上がれる「村サッカー」。中国での人気はさらに加速しそうです。