世界一美しいと称される鳥、それが「極楽鳥」です。
ただ、初めて「極楽鳥」の名を聞いた方もいるかもしれません。
名前からしてすごそうな鳥ですが、果たして「極楽鳥」とは一体どのような鳥なのでしょうか?
「極楽鳥」とは
早速「極楽鳥」がどのような鳥なのか見ていきましょう。
「極楽鳥」の姿
「極楽鳥」はフウチョウ科に属する鳥です。
フウチョウ科は鳥類スズメ目の科を言います。
その特徴は派手な色合いの綺麗な羽にあり、その美しさから「世界で最も美しい鳥」と称されるくらいです。
現にオスの成鳥は美しい飾り羽を持ち繁殖期に多彩な求愛ダンスを踊ることで知られています。
逆にメスの成鳥は意外にも地味な見た目をしています。
「極楽鳥」の生息地
「極楽鳥」はオセアニア地域の国々に生息しています。
中でもオーストラリアやニュージーランド、パプアニューギニアなどの「オーストラリア区」に分布しています。
種類によってはインドネシアでも発見されているとか。
「極楽鳥」の食性
「極楽鳥」は約40種類の仲間がいるとされています。
その種類によって食性はそれぞれ変わるそうです。
ただ、基本的には雑食性と言われています。
そのため、果物や植物の他に昆虫や節足動物も食べます。
パプアニューギニアの国鳥
「極楽鳥」はパプアニューギニアの国鳥に指定されています。
現地の国旗と国章にも「極楽鳥」が描かれているほどです。
伝統行事の際には「極楽鳥」の尾羽が飾りとして使用されるなど、古くから「極楽鳥」とゆかりのある国と言えます。
「極楽鳥」という名前
では「極楽鳥」と呼ばれるようになったのでしょうか。
ここからは「極楽鳥」の名前の由来を見ていきましょう。
名前の由来は剥製にされた時の姿から
「極楽鳥」は英名「Bird of Paradise」から来ています。
これは直訳すると「天国の鳥」や「楽園の鳥」を意味します。
なお「極楽鳥」が「天国の鳥」「楽園の鳥」と呼ばれるに至った背景には西洋人が初めて見た剥製が関係しているそうです。
当時の剥製は肉や足を切除した状態だったとされています。
それを見た西洋人は「肉がないのは食べ物を摂らないため」「足がないのは地上に降りる必要がないため」と勘違いしてしまったのだとか。
そこから西洋人は「極楽鳥」のことを「Bird of Paradise」と呼ぶようになったとされています。
加えて「極楽鳥」の美しい姿も相まって「極楽鳥は天からの遣い」と思い込むようになったのだとか。
結果的に当時の勘違いが「極楽鳥」という名前を生んだということです。
正式な和名は「フウチョウ」
「極楽鳥」の正式な和名は「風鳥(フウチョウ)」となります。
これは前述の「極楽鳥」の名前の由来と似ています。
16世紀、ヨーロッパに初めて入ってきた個体は剥製にする際に翼と足を切り落とされた状態で運ばれていました。
そのため「風鳥」を見た現地の人々は「一生枝に止まらず風に乗って飛んでいる=極楽の鳥」だと考えてしまったのです。
転じて日本では「風を餌にしている」という俗説なども生まれ「風鳥」という和名が付けられたとされています。
「極楽鳥」という名の花もある
世界には「極楽鳥」という名の花もあります。
ここからは「極楽鳥花」について見ていきましょう。
「極楽鳥花」の開花時期
世界には「極楽鳥」の名前を持つ花が存在します。
それが「ストレリチア」と呼ばれる花です。
これは日本語で「極楽鳥花」と表記される植物となります。
そんな「極楽鳥花」は毎年5月~10月頃に開花時期を迎えます。
花は天に手を伸ばしているような見た目をしているのが特徴で「極楽鳥」のように美しいです。
「極楽鳥花」の原産地
「極楽鳥花」の原産地は南アフリカとされています。
南アフリカには多様な植物が自生しており「極楽鳥花」以外にも派手な見た目の花々がいくつか存在します。
ただ、動物の「極楽鳥」は南アフリカには生息していないので、その点は注意が必要です。
学名「ストレリチア」の由来
「極楽鳥花」は学名で「ストレリチア」と呼ばれます。
こうした「極楽鳥花」はカラフルで独特の形をした花が「極楽鳥」に似ていることから名付けられたとされています。
英語圏でも「Bird of Paradise flower(plant)」などと呼ばれるのが特徴です。
学名の「ストレリチア」は英語「Strelitzia」から来ています。
これはイギリスのジョージ3世の妃の旧姓からきているそうです。
その意味は「女王の輝き」を指すのだとか。
まとめ
「極楽鳥」は派手な羽を持つ世界一美しい鳥の一種です。
その見た目は非常に美しく、鳥愛好家の中でも幻の鳥とされるくらいです。
そんな「極楽鳥」は天国や楽園を意味する名を持ちます。
これは当時剥製を見た西洋人が勘違いして名付けたものなのだとか。
それでも「極楽鳥」は名前負けすることのない鳥と言えます。
気になる方は現地もしくは日本の動物園で見てみてはいかがでしょうか?