北朝鮮“ロケット打ち上げ失敗” 専門家「技術力を甘く見てはいけない」 韓国メディア“ロシアの技術支援”か【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-05-29 11:01

北朝鮮が発射した「軍事衛星」を搭載したロケット。空中で爆発したとみられ、北朝鮮は「失敗」と認めています。専門家は「技術力を甘く見てはいけない」と指摘しました。韓国メディアは、使われたエンジンが、ロシアからの技術支援により作られたものとの見方を伝えています。

【画像でみる】北朝鮮が打ち上げたロケットが空中で爆発する瞬間か

北朝鮮「軍事衛星」打ち上げ失敗も…「これまでとは全く違うシステム」

27日夜、沖縄県内に鳴り響いた防災無線。沖縄都市モノレール「ゆいレール」は一時、運行を見合わせに。

東京からの観光客
「何で沖縄だけなんだろう、と思って。東京とかは何もなっていないって家族が言っているので。ピンポイントで何でろうって驚きましたけど」

JNNのカメラが捉えた映像。北朝鮮が「軍事衛星」を搭載し、打ち上げたロケットが空中で爆発する瞬間とみられています。韓国軍も映像を公開し「黄海上で多数の破片を探知した」としていて、空中で爆発したとみています。

専門家は、北朝鮮がこれまでに打ち上げたものとは異なるといいます。

軍事ジャーナリスト 黒井文太郎 氏
「今までは弾道ミサイル『火星12型』『15型』『17型』。こういったものは同じシステムを使っていて、それを流用していたのがこれまでだったんですが、今回はまったく違うシステム。今までの弾道ミサイルの技術の流用ではなくて、いわゆる宇宙ロケットのシステムにガラッと変えてきた

北朝鮮も打ち上げの失敗を認め、「新たに開発したエンジンが原因」だと発表しています。

「北朝鮮の技術力全体を甘く見てはいけない」

北朝鮮がいう「新しいエンジン」について、韓国メディアはジェット燃料の主成分ケロシンを液体酸素とともに燃焼させる新型だと指摘。ロシアからの技術支援により作られたものだとの見方を示しています。

軍事ジャーナリスト 黒井文太郎 氏
「一番我々が注目しなければいけないのは、北朝鮮はやはり弾道ミサイル・ICBMに関してはもう出来上がっている、という自信があるんだと思います。そちらの方とはまた別に宇宙開発など、どんどん発表してますから、非常に北朝鮮の技術力全体を甘く見てはいけないというふうに思います」

北朝鮮は事前に、「近く衛星ロケットを打ち上げる」と海上保安庁に通報していました。

防衛省によると発射時刻は、27日午後10時43分。その3分後、政府は沖縄県を対象にJアラートを発表しましたが、17分後、“日本には飛来しない“として解除しました。

沖縄県民
「びっくりするし、今回、北朝鮮のやつだったので。正直ロケットが飛ばされてもどうもできない

観光客
「こんなご時世なので、鳴ったらそういう対応しなきゃいけないな、と思いました」

Jアラートをめぐっては2023年、情報の訂正など混乱が相次ぎましたが…

林芳正 官房長官
「今回の送信・解除のタイミングは、いずれも迅速かつ適切であったというふうに認識をしております」

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