大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告が法廷で罪を認めました。「考えつく唯一の方法は、彼の金を使うことだった」と振り返った水原被告。審理の直後、大谷選手がコメントを発表しました。
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水原被告 記者の問いかけに前を見ながら…
開廷30分前、裁判所の前に姿を現した水原一平被告(39)。黒のジャケットに丸首の白シャツ姿でした。
水原被告は、大谷翔平選手の口座から、日本円で約26億円を不正送金した銀行詐欺罪と納税に関する嘘の申告をした罪に問われています。
3回目の出廷となった水原被告。今回も報道陣の問いかけに応じることはありませんでした。
一方、この後カメラが入ることができない裁判所の中で、記者が水原被告と接触できました。
ロサンゼルス支局 小川健太記者
「『もし謝罪の気持ちがあるのであれば、うなずくことはできませんか?』と聞いたら、こちらに目を向けることはなかったが、前を見ながら小さくうなずいた。別の記者が『ギャンブル依存症の治療は進んでいますか?』と質問をしたところ、それに対しても小さくうなずいて、そのまま法廷の中へ入っていった」
法廷に入った水原被告は、まっすぐ前を見つめ、緊張しているようには見えませんでした。
水原被告「唯一の方法は彼の金を使うことだった」
審理では、水原被告が検察側とすでに合意している司法取引の内容を裁判官が改めて確認。
水原被告は淡々と「イエッサー」などと答えました。
また、裁判官から「何をしてしまったのか自分の言葉で説明してください」と問われると…
水原被告
「ギャンブルで多額の借金を抱えてしまい、私が考えつく唯一の方法は彼の金を使うことだった」
ロサンゼルス支局 小川記者
「この質問を想定していなかったのか、少し言い淀んだりとか、口ごもったりという様子も聞いていて感じたし、少し緊張というか動揺というか、そういった様子も個人的には感じられた」
その後、罪について「ギルティ(有罪)」と答え、審理は50分ほどで終了しました。
裁判所から出てきた水原被告に改めて問いかけると…
ロサンゼルス支局 小川記者
「申し訳ないという気持ちがあれば、うなずいていただけませんか?」
水原被告
「…」
カメラの前では終始、表情を変えることはありませんでした。
今後、注目されるのは水原被告の量刑です。10月25日に言い渡される予定となりました。最大で禁錮33年とされていますが、司法取引により減軽される見通しです。
刑事事件に詳しいカリフォルニア州の弁護士は…
マーシャル・鈴木総合法律グループ所属 鈴木淳司弁護士
「8年半から12年というのが妥当なレンジだと思う」
大谷選手がコメント「前に進む時期が来た」
メジャーリーグ機構は声明で「MLBは大谷翔平選手を詐欺の被害者とみなし、この問題は終結した」と表明。
大谷選手も審理の直後、コメントを発表しました。
大谷翔平選手のコメント
「私および家族にとっても重要な終結を迎えることができました。この事件に終止符を打ち、前に進む時期が来たと思ってます。これからもこのチームの一員として少しでも勝利に貢献できるよう集中していきたいと思っております」