全国の国税局査察部、いわゆる「マルサ」が昨年度に告発した脱税額の総額が89億円あまりに上ったことが明らかになりました。
【動画】昨年度のマルサ告発の脱税総額89億円 国際取引絡む脱税事案2割 海外当局との連携で調査能力向上へ
ある事務所の天井につながる扉。開けて覗くと、天井裏に灰色のバッグが2つ。中には総額8600万円の現金がありました。これは「マルサ」が強制調査して見つけた脱税で得られた不正な資金です。
国税庁はきょう、「マルサ」が昨年度に告発した脱税の件数が101件で、総額89億円あまりに上ったと発表しました。101件のうち、およそ2割が国際取引を利用した脱税事案です。
国税庁 高松忠介 査察課長
「取引は国際化していて脱税行為が海外に存在するケースも増えてきている。こういう中で証拠を集める、立証するための作業が比較的難しくなってきている」
国税庁は海外の税務当局との連携をさらに強化するなどして、「マルサ」の査察官の調査能力を高めていくとしています。