今年1月、羽田空港で起きた日本航空機と海保機の衝突事故を受け、再発防止などを話し合う有識者委員会が離着陸の指示を出す管制官を補助する管制官を新たに配置するなどの対策を取りまとめました。
きょう有識者委員会が取りまとめた対策では、離着陸の指示を出す滑走路担当の管制官を補助する役割として、新たな管制官を羽田空港や成田空港などの主要空港に配置することを検討すべきであるとしています。
ほかの管制官との連絡などを行い、滑走路担当の管制官の負担を減らすことで、安全性を向上させる狙いがあります。
また、着陸機が近づく滑走路に航空機が進入した際に管制官に注意を促すモニターには、警報音が出る機能を追加すべきとしています。
一方、「ナンバーワン」といった離陸の順番を伝える言葉については、今年1月の羽田空港衝突事故で海保機が離陸許可が出ていたと誤って認識した可能性があるため使用を取りやめていましたが、パイロットなどから有用だとの声があったため、再開する方針です。
対策の取りまとめを受け、斉藤国土交通大臣は「国土交通省として全力を挙げて、実現・実行に向けて頑張っていく」と決意を述べました。
また、委員の1人は、委員会後の取材に対し「現場の実情を理解した、いい取りまとめができた」と話しました。
有識者委員会は、運輸安全委員会の事故調査で新しい事実が判明した場合は、さらなる対策について検討を行うとしています。