猫も人間と同じように貧血になることがあります。猫の貧血は珍しくないといわれていますが、症状に気が付かないことも多いため、治療が長引いたり貧血が悪化してしまうことも少なくないようです。そこで今回は、猫の貧血の症状や原因、チェック方法についてお話しいたします。
1.元気がない、動きたがらない
猫が貧血を起こしていると「何となく元気がない」「動きが鈍い」といった症状があらわれることがあります。
貧血は、何らかの原因によって血液中の赤血球の量が減少した状態です。赤血球に含まれる「ヘモグロビン」は、体中に酸素を送り届ける役割を果たしているため、貧血を起こすと全身が酸欠状態になります。
そうなると、体を動かすのも億劫になり、疲れやすく元気がなくなり、動きが鈍くなる猫も多いようです。
さらに、食欲が低下したり、動きたがらず寝てばかりいるといった症状があらわれる場合もあります。
2.呼吸が早くなる
赤血球の数が減少している状態である貧血は、血中の酸素濃度が低下して体中に酸素をうまく取り込めないことで、呼吸が早くなったり息苦しさを感じることがあります。
猫が横たわって荒い呼吸をしていたり口を開けて呼吸している場合は、特に注意しなければなりません。
貧血が重度の場合、酸素欠乏から命にかかわる可能性もあるため、動物病院で診てもらうようにしましょう。
また、全身に酸素を送り届けてくれる赤血球が少ないということは、呼吸が早くなったり息苦しさを感じるだけでなく、すべての臓器が正常に機能しなくなる可能性も考えられます。
そのため、少しでも愛猫の呼吸がいつもより速い場合は、動物病院へ連れて行ってあげてください。
3.歯茎や舌、鼻が白っぽい
猫が貧血を起こすと、全身へ届けられる酸素量が低下することが原因で、歯茎や舌などの粘膜や鼻が白っぽく変化することがあります。
歯茎や舌の赤みは赤血球によるものです。そのため、普段はきれいなピンク色の口の中が白っぽい場合は、貧血を示すサインかもしれません。
口の中を見られるのを嫌がる猫は多いのですが、小さな変化にもすぐに気付けるように、日頃から口の中のチェックに慣れさせておくと安心です。
普段の健康チェックに口の中のチェックをプラスすることで、愛猫の貧血に気付きやすくなるのではないでしょうか。
貧血の原因とは
猫が貧血を起こしているときに考えられる理由として、以下のような原因が考えられます。
- 出血
- 感染症
- 腎臓病
- 中毒
- 寄生虫
ケガなどの外傷による出血や、消化管内の腫瘤などから出血がある際も貧血を起こす場合があります。
猫白血病ウイルスや猫エイズウイルス、猫伝染性腹膜炎、マイコプラズマなどの細菌の感染が原因になる場合もあります。
腎臓病や慢性の疾患による貧血、玉ねぎ中毒、ノミやダニなどによる吸血も、貧血の原因になる可能性があります。
貧血のチェック方法
先ほどもお話した通り、猫が貧血になると口の中や鼻が白っぽくなります。一番確認しやすいのは「歯茎」ですので、愛猫の唇をめくって確認してみてください。
貧血を起こしているか確認する場合は、歩き方もチェックしてみてください。
よろめいて倒れたり、フラフラと足元がおぼつかないようであれば要注意です。
貧血が進行すると、より多くの酸素を体に取り込もうとするため、呼吸が荒くなったり呼吸数が増えることがあります。
そのため、呼吸数を数えたり口を開けて呼吸をしていないかをチェックすることも肝心です。猫の正常な呼吸数は安静時で1分間に20~40回程度、睡眠時は15~25回程度です。1分間数えるのは大変ですので、10秒間数えて6倍にしても大丈夫です。お腹が膨らんだりしぼんだりを数えるようにしてください。
もしも貧血の症状が確認できた場合は、速やかにかかりつけの動物病院で診てもらってください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、猫の「貧血」について症状や原因、チェック方法についてお話しいたしました。
猫の貧血は、初期段階で気付きにくいことが多いのですが、食欲低下や元気消失に加えて口の中や鼻が白くなっている場合は貧血の可能性大です。
日頃から愛猫の口の中をチェックしたり、歩き方や呼吸の仕方を観察することで小さな異変にも気づきやすくなります。
もしも、愛猫の体調に違和感を感じたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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