年々、飼い主の「愛犬を大切に思う気持ち」が強まっている傾向にあります。とても素晴らしいことですが、中には間違った接し方やお世話によって『人間扱い』してしまう飼い主も…。今回は、犬を『人間扱い』するべきではない理由をお話しします。
犬を大切に思うならば『人間扱い』は考え直して
犬は昔から人間の良きパートナーとして共存してきた歴史を持ちます。そのため、犬に対して特別な親しみを感じている人も多く、今では大切な家族の一員として一緒に暮らしているご家庭も多いですよね。
家族の一員として大切にお世話することはとても素晴らしいです。しかし、犬は「犬」であることを忘れてはいけません。これは決して優劣の話をしているのではなく、人間も含めて生き物は皆、それぞれに適した生活や尊重すべき習性があるからです。
本来持っている習性や体質を無視して、人間としての生活を無理強いさせてしまうと、あらゆる面で犬に負担がかかってしまうので気をつけましょう。
犬を『人間扱い』するべきではない5つの理由
愛犬を大切に思うならば、「犬」として正しくお世話したり接してあげるべきです。ここでは、なぜ犬を『人間扱い』するべきではないのか、その理由を見ていきましょう。
1.与えた食べ物によって体調不良を招く恐れ
まずは、人間と犬では体質が大きく異なることが挙げられます。人間が食べても健康に問題がない食べ物であっても、犬にとっては有害な成分が含まれているものも多くあります。
飼い主と同じ食生活をさせてしまうと、与えた食べ物によって中毒症状やアレルギー反応、食べ過ぎなどによって、健康面に悪影響を及ぼすリスクが懸念されます。最悪の場合、命に関わることもあるので注意してください。
2.人間と同じ行動は体に負担がかかることも
愛犬を良かれと思って人間のような扱いした結果、体に負担をかけてしまっていた…という事例は意外と多くあります。
例えば、愛犬を子どものように想い、「高い高い(両脇に手を入れて持ち上げる)」した結果、関節が脱臼してしまうという事故を招くことも。
他の事例では、健康なのに赤ちゃんのようにバギーに乗せて散歩させ、運動不足によって肥満になり、体に負担をかけてしまうというケースも度々見られます。犬の体の構造や体質などを理解した上で、犬として健康的で安全な生活を送らせてあげましょう。
3.人間のような生活はストレスにつながりやすい
犬は私たちにとって最高のパートナーです。しかし、犬と人間では感性が多少異なるため、私たちにとっては楽しいことも、犬にとっては苦痛でしかないという場面が多くあります。
例えば、犬を人間の友達のように人が多い場所へと無理やり連れて行ってしまうと、警戒心や恐怖心から強いストレスを感じてしまいます。
強いストレスは体調不良や人間不信などにつながりやすいため、愛犬が不幸に陥る原因になることも。犬としてなるべくストレスを感じにくい快適な生活や行動を心がけましょう。
4.お世話のし過ぎで犬の負担増になる恐れ
「人間のように生活させてあげたい」と良かれと思い、お世話をしすぎてしまう飼い主も見かけます。しかしお世話のしすぎは、かえって犬の負担になっているケースも多いです。
例えば、私たちは毎日のようにお風呂に入りますが、犬のお風呂の推奨頻度は1ヶ月に1〜2回です。あまりにも高い頻度で行ってしまうと、皮膚を痛めてしまう恐れがあります。
他にも必要以上にしつこくお世話することで、ストレスや体に負担がかかり、過度な疲労の原因になることも。犬が飼い主との生活を苦痛に感じてしまうのでやめましょう。
5.必要なしつけが完了せずコントロールできなくなる
犬を人間扱いしてしまうことの弊害として、しつけがしっかり完了せずに中途半端なまま終わってしまうという懸念点があります。
必要なしつけが完了していないと、成長するに従い飼い主がコントロールできなくなり、生活がままならなくなったり周囲に迷惑をかけたりする事態に発展する可能性も懸念されます。
最終的に、飼い主も愛犬も不幸な末路を辿ることになりかねないので、幸せな生活を送らせてあげるためにもしつけは最後までしっかり行いましょう。
まとめ
犬を大切な家族の一員として愛することはとても良いことです。しかし、犬と人間は本来全く別の生き物です。そのため過剰に人間扱いしてしまうと、今回紹介したように犬に心身の負担をかけることになりかねません。
愛犬には「犬」としての習性や感性を尊重し、犬に適した健康的で安全な生活を送らせてあげましょう。
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