犬は飼い主の気持ちに寄り添ってくれる、と言われています。正確な言葉は伝わらなくても、飼い主が発している声音、動き、そして表情など、様々な情報を読み取り、気持ちを察しているようです。そこで今回は、犬は飼い主の「笑顔や泣き顔」を認識しているのかについて解説します。
犬は飼い主の表情を認識しているか
犬と一緒に生活をしていると、何気ないふとした瞬間に犬がじーっと見つめてくることがあると気付きます。このような状態のときの犬は、飼い主(人間)が何をしようとしているのか、次にどんな行動にでるのかを観察しているようです。
犬はお互いに争いを回避したり、生活を共にしたりするために、お互いをよく観察する習性があります。耳の角度や尻尾の立て方、目線の動かし方などで自分の気持ちを表したり相手の気持ちを読み取ったりするのです。
もちろんこの能力は人間に対しても使用されています。では、犬は飼い主のどんな表情を認識して行動しているのでしょうか。
これを解明しようとした実験の結果、どうやら『犬は人間の笑顔を認識できている』ということが分かったそうです。
犬に対して笑顔、無表情、泣き顔、怒り顔、恐怖の顔などの写真を見せたところ、笑顔の写真を見せたときにのみ犬の脳が活発に活動したというのです。一方で、無表情、泣き顔、怒り顔、恐怖の顔などには大きな差がなく、犬は特に興奮することがなかったようです。
この結果から、犬は特に人間の笑顔を視覚で認識している、ということが分かります。たくさんの笑顔に接している犬は、脳が活発に活動し精神的にもポジティブに落ち着く傾向があるようです。
愛犬が持つ優れた能力
犬が人間の様子を観察する場合、それは決して視覚情報だけを頼りにしているのではありません。表情だけでなく、声音、動き、においなど様々な情報を受け取って総合的に読み取っていると考えられています。
人間が悲しんでいたり怒っていたり、具合が悪かったりする場合、犬たちがその感情に寄り添っているように傍にきてくれることがあります。これらは表情を読み取っているというより、人間が発している声のトーンやにおい、あるいは行動が「いつもとちがう」ことを犬が察しているのでしょう。
犬たちはいつも「変わらない」ことが好きです。そして人間が喜んでいるときは自分たちにもいいことがあることを知っているため、一緒になって喜びます。いい子ねと褒められることも大好きなので、飼い主の機嫌が良い時は一緒に機嫌が良くなるのです。
しかし「いつもと違う」ことは不安です。泣いたり怒ったりしていれば人間の声のトーンはいつもと違うものになりますし、具合が悪い、焦っている、怯えている等の場合は、汗や体臭が変化すると言われています。
犬は敏感な聴覚や嗅覚を使って、このような人間の様子の変化を察知し、不安を覚えて人間の傍に寄ってくるのです。
まとめ
犬は常に飼い主を観察しているため、飼い主の気持ちを察する能力が高いと言われることに間違いはありません。
特に笑顔を見たとき、犬はしっかりと飼い主のその顔を認識できていることが分かっています。しかし、飼い主の気持ちを読み取る手段は、表情を見ることだけではないようです。
そして、いくら犬が飼い主の感情を読み取ってくれるからといっても、人間同士でさえ泣いたり怒ったりしあうと心が疲れてしまいます。
お互いに気持ちよく、また犬を必要以上に不安にさせないように、落ち着いた行動や笑顔を心がけて生活していきたいものですね。
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