イスラエルとの戦闘を続けている「ハマス」の最高指導者ハニヤ氏がイランで殺害されました。資産6000億円とも言われる最高指導者の殺害は、ガザの停戦交渉にどう影響するのでしょうか？
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ハマス最高指導者 宣誓式出席の翌日に殺害
7月30日、イランのペゼシュキアン新大統領に迎えられたのは、ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏です。
会談の後には新大統領の宣誓式にも出席し、笑顔を見せていました。しかし…
ハマスの声明(31日)
「襲撃によって殺害された」
イスラム組織ハマスは、ハニヤ氏がイスラエルによって殺害されたと発表しました。テヘランでのハニヤ氏の滞在先が襲撃を受けたといいます。
ハマス系メディアによると、ハマス幹部は「罰を免れない卑劣な行為だ」と非難したとしています。名指しされたイスラエルは、31日現在、沈黙を保っています。
ハマスのトップ・ハニヤ氏は、パレスチナとイスラエルの和平の行方に大きな影響を与える人物です。
2023年10月7日、ハマスがイスラエルを襲撃した日に、ハニヤ氏は遠く離れたカタールでテレビ画面を見つめていました。
「ハマス」最高指導者 ハニヤ氏
「テレビを見て、見て。我々の旅団がイスラエル軍から四輪車を奪って持って帰った。この勝利を神に感謝してひれ伏しましょう。神よ、私たちの民と国家のために、勝利を成し遂げてください」
ガザ地区で難民として生まれたハニヤ氏とは
ハニヤ氏の純資産は6000億円と言われていて、移動にはプライベートジェットが使用されています。
イスマイル・ハニヤ氏は、1962年、ガザ地区で難民として生まれました。反イスラエル闘争に参加し、弾圧に乗り出したイスラエルによって刑務所に収監されたこともあります。
2006年のパレスチナ議会選挙で、パレスチナ自治政府のアッバス議長から首相に任命されました。その後、ハマスはガザ地区を実効支配。ハニヤ氏は2017年にハマスの指導者に選出されました。
パレスチナとイスラエルが対立する問題の一つ、エルサレム。
2017年、当時のアメリカのトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都にするとの発表に…
「ハマス」最高指導者 ハニヤ氏(2018年)
「エルサレムは私たちの永遠の首都であり、パレスチナ国家の首都であり、エルサレムのアイデンティティはトランプやネタニヤフの決議によって変更されることはない」
アメリカ国務省からテロリストとして指定されているハニヤ氏は、近年はカタールを拠点に活動。イスラエルとの停戦交渉では、ハマス側の代表者でした。
須賀川拓 記者:
「ハニヤ氏は、2023年10月にハマスがイスラエルに行った攻撃の首謀者とされている。イスラエル側としては最重要ターゲットだった。ハマス側のトップはいなくなり、停戦交渉は非常に厳しい局面を迎える可能性が高い。市民の一番の願いは停戦だが、それが今回遠のいてしまう」
