猫の『座り方の変化』でわかる病気4つ いつもと違うと感じたら疑うべきことと対処法

2024-08-02 18:50

猫の座り方といえば、「香箱座り」や「エジプト座り」などがありますが、その座り方に変化が見られる場合、何らかの問題が隠れている可能性があるようです。では猫の「座り方」から推測できる病気には、どんなものがあるのでしょうか?

猫の『座り方の変化』でわかる病気4つ

おやじ座りの猫

1.骨軟骨異形成

骨軟骨異形成は、猫の骨や軟骨の発育に異常が生じる遺伝性の疾患です。主に膝関節や股関節に発症し、痛みなどの症状を引き起こします。

スコティッシュフォールドやマンチカンは、遺伝的にこの病気の発症リスクが高い猫種なので要注意。

とくにスコティッシュフォールドの耳折れは、骨軟骨異形成が原因と考えられています。つまり耳折れスコティッシュは、ほぼ100%骨軟骨異形成症を持っているということです。

骨軟骨異形成のわかりやすい症状としては、「独特な座り方」があげられます。

痛みをカバーするような座り方で、いわゆる「スコ座り」「おやじ座り」です。前足を投げ出し、まるで日曜日のお父さんのような姿勢で座ります。

「かわいい」という印象を受けますが、実は関節の痛みを和らげるための座り方で、猫にとってはポジティブな座り方ではないことも多いです。

さらに骨軟骨異形成は、遺伝性の病気なので完治ができないのが難点。猫の生涯が終わるまでずっと付き合っていくことになります。

重症の場合は歩行困難となるケースもあるため、獣医師と連携しながら、猫が過ごしやすい環境を整えましょう。

2.変形性関節症

猫の変形性関節症は、主に高齢の猫に見られる慢性の関節疾患です。関節軟骨に異常が生じ、猫に痛みや不快感をもたらします。

加齢以外にも過去の怪我、そして肥満などが発症のリスクを高める要因です。また骨軟骨異形成とは異なり、遺伝子は関係なくどんな猫種にも発症リスクがあります。

典型的な症状としては、歩行時の跛行(正常な歩き方ができない状態)や活動量の減少など。ほかには簡単にできていたジャンプや階段の上り下りが困難になったり、特定の姿勢を避けたり、触られることを嫌がったりする様子も見られます。

治療は主に症状の緩和と進行の抑制です。抗炎症薬などの投薬や、グルコサミンなどのサプリメントを使用したりして、日常生活を送りやすくなるようサポートします。

予防をするなら、体重維持と運動がカギ。完治が難しい疾患ですが、適切なケアと管理を行えば、猫のQOLを大幅に下げることもなく寿命を全うできるので、根気よく治療を行うことが大切です。

3.カリシウイルスによる関節炎

猫のカリシウイルスによる関節炎は、猫カリシウイルス(FCV)の感染によって引き起こされる疾患です。

稀な病気ではありますが、発症すると強い痛みが生じるため猫は座ることも嫌がります。

猫カリシウイルスは猫風邪の一種で感染力が強く、子猫など免疫力の弱い猫が発症すると重症化して命に関わることも珍しくありません。

主な症状はくしゃみ・鼻水・発熱・食欲不振などの風邪症状や口内炎・結膜炎など。特効薬はないため、対症療法を行いながら自己免疫でのウイルス撲滅をサポートします。

予防には、ワクチン接種が有効です。また新しい猫を導入する際に隔離期間を整えることなども、重要な予防策となります。

4.椎間板ヘルニア

猫の椎間板ヘルニアは、脊椎の椎間板に問題が生じて神経根などが圧迫される病気です。

椎間板は脊椎にある軟性の構造で、衝撃を吸収し、脊柱の柔軟性を保つ重要な役割を果たしています。

しかし加齢や外傷、遺伝的要因などによりこの椎間板物質が飛び出てしまったりすると、痛みといったさまざまな症状があらわれるように。

主な症状はヘルニアの程度や位置によって異なりますが、一般的には背中の痛み、歩行の異常、後ろ足の弱さや麻痺、痛みを避けるような姿勢などです。重度の場合は、排尿や排便が難しくなることもあります。

治療方法は軽度から中程度の場合、内科治療が選択されることが多く、安静・痛み止めや抗炎症薬の投与、そしてリハビリといった治療がメインです。重度の場合は、外科的治療が検討されることもあります。

いつもと違うと感じたら疑うべきことと対処法

レントゲン写真をみる女性獣医師

猫の座り方に異常を感じた場合は、主に次のような対処をしてみましょう。

適切なケアを行う

症状が続く、猫の状態が悪化している場合は早めに獣医師に相談してください。そして診断結果と獣医師の指示に基づいて、適切な治療やケアを行います。

環境の整備

猫が快適に過ごせる環境を整えることも大切です。

柔らかいベッドや猫が休む場所を低所に移動してあげて、関節や筋肉の痛みが生じにくい環境を整えます。

ジャンプや高い場所への移動を減らし、猫が無理なく移動できるようにしましょう。

継続的な観察

猫の行動や姿勢を日常的に観察し、異常があればすぐに対応できるようにするのも大切です。早期発見と早期対応が、病気の進行を防ぎ、猫の生活の質を向上させます。

まとめ

しっぽ巻き座りの猫

猫だけでなく多くの動物は自分の不調を隠します。そのため飼い主は些細な変化からも、猫のSOSに気づけないといけません。

座り方もそのひとつ。座り方だけでも今回紹介したような病気が疑われるので、なんともないかもしれませんが、ほかの症状が出ていたり痛がる様子が見られたりしたら、獣医師の診察を受けるようにしましょう。

関連記事

『家に迷い込んだ白猫』を保護したら…先輩猫と過ごした『1ヶ月間の様子』が感動的すぎると23万再生「素敵なご縁」「涙が込み上げて」
猫がテレワーク中のパパと遊びたくて…『猛アピール』する様子が可愛すぎると43万再生「たいへん尊い」「可愛さに参った」悶絶の声
猫が一緒に寝てくれない6つの理由と一緒に寝る方法
子猫を『病院』に連れていった結果…注射後に見せた『愛おしすぎる姿』が42万4000再生の大反響「偉い偉い」「がんばったね」の声
『飼い主が突然倒れたら…猫はどうする?』を検証したら…まさかの結末に爆笑!15.6万回再生「期待を上回る完璧な対応w」「ですよね~w」

  1. 秦澄美鈴、スピード増し増しで3度目の正直へ!充実の冬を経て、東京世界陸上で飛躍誓う「まずは決勝に行くことが一番」
  2. 悪質ホストクラブ問題 風営法改正案を閣議決定 悪質営業の店への罰則を大幅強化 警察庁
  3. 東北新幹線「はやぶさ」「こまち」連結分離トラブルから一夜明け混乱も すべての新幹線連結運転を中止 東京~山形・秋田方面へ直通運転できず
  4. 大川原化工機冤罪事件 当時の警視庁公安部の警部補1人に「不起訴不当」議決 検察審査会 東京地検が再捜査
  5. メキシコ・カナダへの25%関税 トランプ政権が約1か月間、幅広い品目を対象外に
  6. EU特別首脳会合 ヨーロッパの防衛力強化のため127兆円規模の「再軍備計画」を進めることで大筋合意
  7. 一列に並んだスズメの光景が話題に「こんなに集まっている姿を見られてうれしい」「スズメの学校」
  8. ソウル郊外で戦闘機が爆弾を誤投下 民家や教会を破壊し15人が重軽傷 爆発の瞬間の映像には走行中のトラックが…【news23】
  9. 「高額療養費制度」政府・与党が今年8月の負担上限額の引き上げの見送りも含め見直しを検討
  10. 【脳トレ】「洞」の中に紛れて1つ違う文字がある!?あなたは何秒で探し出せるかな??【違う文字を探せ!】
  1. 「日本は我々を守らなくていい」トランプ大統領は日米安全保障条約に不満示す
  2. ソウル郊外で戦闘機が爆弾を誤投下 民家や教会を破壊し15人が重軽傷 爆発の瞬間の映像には走行中のトラックが…【news23】
  3. 【速報】日経平均株価 一時800円以上値下がり
  4. “悪質ホストクラブ問題”に対策 風営法改正案を閣議決定 悪質営業の店への罰則を大幅強化 罰金額の上限「3億円」に引き上げ 警察庁
  5. 【センバツ組み合わせ一覧】史上4校目、春連覇狙う健大高崎は第1日明徳義塾と対戦 横浜の初戦は市和歌山に決定
  6. ウクライナ前総司令官「NATO崩壊」の可能性指摘 米国を強く批判
  7. 富士山頂に巨大な鳥!?“存在感がすごすぎる鳥”の写真にビックリした!
  8. トランプ大統領「日本は我々を守らなくていい」 日米安全保障条約に不満示す
  9. 『ブレスレットなど万引き』、「旅費不正受給」&無断欠勤や早退を繰り返す 東京都が2人の女性教諭を懲戒処分
  10. ホットペッパービューティーが“猫背損失”を衝撃公表「猫背の人は 7.3歳上に見える」「メンタルにも影響」いまこそリラクゼーションサロンやプロの施術&マッサージで気持ちよく克服
  11. 【速報】林官房長官「累次の機会に対日防衛義務を確認している」 トランプ米大統領が日米安全保障条約の片務性に不満示す
  12. 西友を買収する「トライアル」とは DX戦略の“キーマン”永田取締役が激白「日本のシリコンバレーを福岡に」【Bizスクエア】