■パリオリンピック™ 陸上・女子やり投決勝(日本時間11日、スタッド・ド・フランス)
女子やり投の決勝で北口榛花(26、JAL)が悲願の金メダルを獲得した。フィールド種目での金は日本勢女子史上初。トラックを含めても、メダル獲得は1928年アムステルダム五輪の人見絹枝(女子800m:銀メダル)以来、96年ぶり2度目の快挙となった。
1投目でいきなり65m80の今季ベストを記録し、最終投てきを終え誰も北口の記録を超えられず、金メダルが決まった。6投目を投げ終えた北口は客席にいるコーチ、両親のもとへ向かい涙を流した。
男女を通じて陸上競技での金メダルは、2004年アテネ五輪の野口みずき(女子マラソン)、室伏広治(ハンマー投)以来20年ぶりで史上8人目。女子陸上界では高橋尚子、野口に続き史上3人目の金メダリストとなった。さらに今大会日本勢17個目の金メダルとなり、海外開催の五輪ではアテネの金16個を超えて過去最多となった。
昨年の世界陸上ブダペストで金メダルに輝いた世界女王が、五輪で過去一度もメダルがない女子のフィールド種目でついに新たな歴史の扉を開いた。
予選では1投目で62m58を投げて一発で突破。この日の決勝は12人で争われ、北口は1投目でいきなり65m80の今季ベストをマークし暫定首位スタート。2投目は62m39、3投目はファールで後半へ。4投目は61m68、5投目は64m73と全体でも暫定2番目の記録。5投目を終え、63m93のJ.ファンダイク(南アフリカ)、63m68のN.オグロドニコバ(チェコ)が追う展開に。
最終投てきで2位以下の選手が北口の記録を超えられず、2位J.ファンダイクのやりが60m手前で落ちると、北口の悲願の金メダルが決まった。
表彰式を終え、金メダルを受け取った北口はスタンドの両親のもとへ行き記念撮影。インタビューゾーンでは「なんかすごく大事なものをもらった気持ちで、何回も見ちゃいますね」と笑顔をみせ、「両親の支えなしではここまでこれなかったので、これまでの支えにすごく感謝してます」と言葉を伝えた。
フィールド競技初の金メダルに「また初めてが増えてすごく嬉しいですし、また増やしていけたらいいなって思います」と今後の飛躍を誓った。