■パリオリンピック™ ブレイキン男子 3位決定戦 SHIGEKIX VS VICTOR(11日、コンコルド広場)
ブレイキン男子の3位決定戦が行われ、半井重幸、ダンサーネーム・SHIGEKIX(22、第一生命保険)は、アメリカのVICTORに敗れた。今大会から追加競技となったブレイキンでのメダル獲得はならなかった。女子は湯浅亜実、ダンサーネーム・AMI(25、Good Foot Crew)が金メダルを獲得している。
ブレイキン男子・日本のエース・SHIGEKIXは予選3試合を戦い、1勝2分けの2位で決勝トーナメントに進出。準々決勝は勝ったものの準決勝で敗れ、3位決定戦に回った。
合計3ラウンドで行われる3位決定戦の相手はアメリカのVICTOR。予選で一度対戦し引き分けた相手に、SHIGEKIXは真っ向勝負を挑んだ。ウインドミルやヘッドスピンといった大技を次々と披露、さらに音楽に合わせて動きを止めるフリーズも決める。終始笑顔で楽しそうにダンスを踊ったSHIGEKIX。結果は0-3と敗れはしたものの、その表情は充実感に溢れているように見えた。
試合後、SHIGEKIXは「たくさんの人にたくさんのサポートをしてもらって、自分がここに立っているので、その人たちにも少しでもいい姿を見せたい、より輝いた姿を見せたいという気持ちが強かった」と、悔しさを滲ませた。初めての挑戦となったパリ五輪は「本当にかけがえのない時間でしたし僕に必要な挑戦だったと思う。ここに立っていない自分よりも立った自分の方が強いと思うし、人としてもダンサーとしても成長できたと思うので、この経験をしっかり先につなげていきたい」と、ブレイキンの第一人者として先を見据えた。
ブレイキンは1970年代のアメリカ・ニューヨーク発祥のヒップホップ文化から生まれたダンスで自由度の高いパフォーマンスが特徴。今大会から追加競技となったブレイキンは1対1の対決で、DJが流す音楽に合わせて即興でパフォーマンスを披露し合う。ジャッジが技術性、多様性、完成度、独創性、音楽性の5つの基準で採点し、勝負が決まる。
■半井重幸(なからい・しげゆき)
2002年3月11日、大阪狭山市出身。ダンサー名「SHIGEKIX」。7歳の時に姉の影響でダンスを始める。2020年、世界最高峰の大会「Red Bull BC One World Final」に当時18歳で出場して優勝、歴代最年少記録を塗り替えた。全日本選手権3連覇。2022年世界選手権準優勝、2023年世界選手権3位。